「人を愛することは、オレンジの丸かじりをすること」
かつてお世話になった方に、そう教わった。
普段、私たちは、オレンジの甘くておいしい実だけを食べ、苦味のある皮や種、味のない白いわたや袋は捨てている。けれど、人を愛するということは、その全部を頂く、ということなのだという。
なるほど、人には色々な部分がある。外見でも内面でも、美しい部分や醜い部分、長所や短所がある。それに加えて、人種や性別、病気や障害といった差別や偏見の対象になり得るものを抱えていることもある。それでも、その人を愛するということはオレンジを丸かじりすることなのだと。
デニーズのクリスティアーナへの愛は、まさに「オレンジの丸かじり」にほかならない。だからこそ、この記事を読んだ後に、私は胸に、何か温かいものが込み上げてくるのを感じたのだと思う。