娘・寿怜さん(8)
わたしのお母さんはびょう気です。手じゅつのきずがあるけど、ふくをきたらわかりません。でもお母さんのびょう気に気づいてくれた人がいました。
冬休みにお母さんのびょういんにつきそいした時、大学びょういん行きのバスはせきがありませんでした。わたしとお母さんはびょういんまで立ってのることにしました。バスがしんごうでとまった時、後ろのせきからおばあちゃんが歩いてきて、「新聞で見たよ。あなたがすわりなさい。」と自分のせきをゆずってくれました。すると今どはべつのおばあちゃんが「わたしすぐおりるから、どうぞすわって。」と自分のせきをおばあちゃんにゆずりました。
しらない人に声をかけるのは少しふあんではずかしい気もちになるけど、しらない人からもらったやさしさはとても心にのこります。
今どはわたしがだれかにやさしさのバトンをわたします。おばあちゃん、ありがとう。
母・和恵さん(41)
バッグにヘルプマークを付けてバスに乗った時のこと、年配の女性が声をかけてくださり私たちは座って病院へ向かうことができました。
新聞でヘルプマークを知ったとのこと。新聞を通じて人と触れ合い、娘が自分のことのように「お母さん、よかったね」と喜んでくれた姿に心が温まる出来事でした。
障害があることや配慮が必要なことを周囲に知らせ、手助けや理解を得られやすくするための「ヘルプマーク」が、きょう1日から県内で配布される。県障害福祉課は「マークを身に着けている人を見たら、電車やバスで席を譲るなど思いやりのある行動をしてもらいたい」と呼び掛けている。
マークはシリコン製で、縦8・5センチ、横5・3センチ。赤地に白いプラス(+)とハートがデザインされており、かばんなどに付けて使う。裏にシールを貼り、連絡先や障害の内容、助けてほしいことなどを書き込むことができる。
使用が想定されるのは義足や人工関節を使っている人、心臓疾患の人などのほか、つわりがひどい妊婦など援助や配慮を必要とする人。公的機関や商業施設、交通機関などで、障害の内容を何度も説明しなくても周囲の理解を得られたり、支援を受けたりしやすくなる効果が期待されている。
マークは2012年、東京都が作成した。これまで14都道府県が導入しており、本県は15番目。東北では青森に次いで2番目。カードタイプもあり、緊急時や日常生活で支援が必要な際に意思表示するのに使える。
本年度の配布数はマーク5500個、カード4千枚。市町村窓口、県の各地域振興局、県障害福祉課(県庁2階)などで配る。郵送は受け付けていない。カードの画像データは県のホームページからダウンロードできる。問い合わせは同課TEL018・860・1331
(梅川正城)