これまでの企画展

2004年

東京新聞創刊120年展―読者と歩んだ激動の日々

明治17年創刊の「今日新聞」を起源とする東京新聞は、創刊後まもなく「都新聞」と改題。明治から昭和にかけて文化・芸能に手厚い紙面で異彩を放ちましたが、戦時下の昭和17年、国策で「国民新聞」と合併、今日の東京新聞になりました。
明治期の情趣豊かな新聞挿絵、読者に配った附録美人絵の数々を目玉に、号外が語る大事件、写真に残る昔の新聞社風景、都新聞が伝えた関東大震災、広告120年の歩みなどを展示します。

今日新聞(東京新聞の起源)
創刊号の題字絵
中里介山作「大菩薩峠」第1回
1913(大正2)年9月12日
会期 11月20日(土)~12月23日(木・祝)
主催 東京新聞(中日新聞東京本社)、日本新聞博物館
会場 2階企画展示室

読売新聞創刊130周年記念―「ザ・タイムズがみた200年」報道写真展

1785年に創刊され、200年以上にわたって世界の新聞界をリードしてきた英国の高級紙「ザ・タイムズ」に掲載された膨大な写真の中から、厳選した作品を「皇室・王室」「社会」「政治」「文化・スポーツ」の4つのゾーンに分けて展示します。
例えば「皇室・王室」――ここでは、1921年に英国を訪問した皇太子時代の昭和天皇が、第一次世界大戦に従軍した英国の在郷軍人を閲兵している貴重な写真や、第二次世界大戦中に王室の領地内でくつろぐ英王室一家の素顔などを紹介します。「社会」では、1933年、世界最高峰のエベレスト上空を複葉機が初めて飛んだ瞬間を世界に伝えた一枚を展示します。
「政治」で興味深いものの一つに、第二次世界大戦の戦後処理を話し合うためにソ連の保養地・ヤルタに集った米、英、ソの三巨頭の写真があります。ルーズベルト米大統領、チャーチル英首相、スターリンソ連共産党書記長の三人がいずれもそっぽを向いており、当時の三人の心境をうまく捉えた象徴的な作品といえます。
こうした写真に加え、ザ・タイムズが保存している歴史的に価値のある資料、日本人になじみのある事象を伝えた紙面なども併せて展示します。

エベレスト越えの世界初飛行
1933(昭和8)年=「ザ・タイムズ提供」
ヤルタ会談の三巨頭。3人の視線に注目
1945(昭和20)年=「ザ・タイムズ提供」
会期 10月2日(土)~11月14日(日)
主催 読売新聞社、日本新聞博物館
特別協力 ザ・タイムズ
会場 2階企画展示室

CTP(コンピューター・ツー・プレート)

従来の新聞印刷では、コンピューターに蓄えられた記事や広告の紙面情報を、一度フィルムに出力してから、印刷用の版を作っていました。
CTPでは、フィルムの工程を無くして、直接版を作ることができます。フィルムを出力しないので、省資源につながる環境に優しい印刷技術です。松下電送グラフィックプリンティング株式会社はこの技術で、2003年度の日本新聞協会技術開発賞を受賞しました。
表示した写真や書いた絵などがそのまま印刷できる「電子黒板」や、離れた場所の景色をインターネット経由で見ることが出来る「ネットワークカメラ」のデモンストレーションも実施します。

会期 10月1日(金)~2005年2月6日(日)
主催 松下電送グラフィックプリンティング株式会社、日本新聞博物館
会場 5階最先端技術ギャラリー

かわら版・海外絵入り新聞にみる─ペリー来航と横浜の開港

ペリーが横浜で日米和親条約を結んでから150年。ペリー来航は、当時の日本に大きなインパクトを与えただけでなく、横浜の開港を促し、日本が近代化へ向けて踏み出す大きなきっかけとなりました。
当時のかわら版を中心に、海外絵入り新聞(ピクトリアル)、絵図、浮世絵、開港期の横浜のガイドブックである「横浜本」、郵便物などの豊富な資料約200点を展示し、当時の人々がペリー来航をどのように受け止め、情報がどのように伝達し、幕末の世の中を変えていったのかを紹介します。

会期 8月10日(火)~9月26日(日)
主催 日本新聞博物館、神奈川新聞社、tvk(テレビ神奈川)、横浜黒船研究会
会場 2階企画展示室
「ヘルリ之真像(1854年)」
天狗に似せたペリー像。
当時はさまざまなペリーの肖像画が描かれた
「北亜墨利加蒸気火輪船正図(1854年)」
ペリー2度目の 来航で、当初の驚きから人々は
蒸気船の機能に関心を示すようになった。
それを反映し正確な姿を描いたかわら版

明治 大正 昭和 新聞小説史展―高木健夫文庫から

新聞記者・高木健夫氏が生涯を通して研究を続け、その成果としてまとめた「新聞小説史」(全四巻)を軸に、新聞小説の歴史を「明治篇」「大正篇」「昭和篇」と「挿絵と新聞小説」の四部構成で紹介します。高木氏は、読売新聞コラム「編集手帳」の初代執筆者として著名なジャーナリストです。
黒岩涙香、徳冨蘆花、幸田露伴、田山花袋、谷崎潤一郎、森鴎外、夏目漱石、芥川龍之介、中里介山、菊池寛、川端康成、永井荷風、子母沢寛、石川達三、林芙美子、吉川英治、大佛次郎などそうそうたる作家の原稿、書簡、掲載新聞、新聞切り抜き、挿絵原画、ポスターなど約270点を選び展示します。

会期 5月29日(土)~7月19日(月・祝)
主催 日本新聞博物館、神奈川近代文学館
会場 2階企画展示室
夏目漱石「心」(東京朝日新聞)
尾崎紅葉「金色夜叉」(読売新聞)

毎日新聞創刊132周年「点字毎日展」

「点字毎日」は日本で唯一の点字新聞として1922年5月11日の創刊以来、80年以上にわたって発行されています。この間、「菊池寛賞」(1963年)や「朝日賞(現在朝日社会福祉賞)」(1968年)など数々の賞に輝いています。
「点字毎日」創刊号などのほか、点字の教科書や六法全書などを展示します。ヘレン・ケラーが来日した際の貴重な写真なども紹介します。また、入場者が自分で点字の名刺を作る体験コーナーも設けます。

会期 2月21日(土)~5月9日(日)
主催 毎日新聞社、日本新聞博物館
後援 厚生労働省、文部科学省、神奈川県、横浜市、日本盲人福祉委員会、社会福祉法人日本点字図書館、社会福祉法人東京ヘレン・ケラー協会
協賛 ケージーエス株式会社、ファンケル株式会社、オンキヨー株式会社
会場 2階企画展示室
「点字毎日」の創刊号
現在稼動中の点字印刷機

「王子の森の春」「王子の森の夏」

王子製紙グループが全国に所有する社有林「王子の森」――その木々や森に棲む生き物たちを第一線の著名な写真家が撮影した写真で紹介し、日本の森の美しさ、生命の多様さをお伝えします。
あわせて、新聞紙のもととなる「紙」が森林によって支えられていることや、かけがえのない森林を守りながら木々を有効利用していることをパネルで展示します。

手前がダンボールで作られた、しゃれた机とイス。
奥は植林事業と紙の再生をテーマにした展示。
会場に飾られた四季それぞれに美しい
自然をみせる“王子の森”の写真。
会期 2月10日(火)~9月26日(日)
主催 王子製紙グループ、日本新聞博物館
会場 5階最先端技術ギャラリー