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2016.01.15 update.

(想)本当のヒーローとは

中国新聞社 | 2015年12月26日掲載

想 安芸戦士メープルカイザー  本当のヒーローとは

 2010年、誕生したヒーロー。彼の名は「安芸戦士メープルカイザー」。児童虐待防止の啓発のため私が個人でつくったキャラクターが、いつの間にか広島県のご当地ヒーローとして認識されるようになりました。

 私が児童虐待防止を趣旨に活動をしている理由は、私自身が幼少期に虐待を受けて育ったからです。両親が共働きだったため、伯母の家で生活をしていた私に始まったのが、身体的虐待でした。その後、保護され、養護施設で育ちました。そんなつらい体験を、今の子どもたちにしてほしくないと思う一心でつくり上げたヒーローです。

 広島県では、児童虐待に関する通報が年間3千件以上あり、増加傾向にあります。私は、虐待を減らすには、親子のコミュニケーションが重要だと考えます。現代はネット社会と呼ばれ、大人も子どもも話をするより画面に向かっている時間の方が多いように思えます。親子や家族、地域のコミュニケーションが不足していることからも起こりうるのが虐待です。

 私は児童虐待防止推進月間に合わせ11月、24時間マラソンに挑みました。マラソンが得意なわけではありません。どちらかというと苦手な方です。今回、挑んだ理由は「克服」でした。児童虐待防止を啓発しながらも、苦手なマラソンをやり遂げた後に何かを感じるはずだと。

 走っている時、今までの人生を考えていました。上り坂や下り坂、狭く危険な道など。平たんで安全な道はあまりないものです。人生も同じで、なかなか平たんで安全な道はありません。沿道で応援してくださった方々や、幼稚園、保育所、養護施設の子どもたちからもらったパワーは「言葉」というコミュニケーションでした。

 子どもたちに関する事件や事故を少しでも減らすため、コミュニケーションの大切さを伝えていけるヒーローを目指していきたいと考えています。しかし、子どもたちにとって本当のヒーローは、お父さんやお母さん、そして周りの大人たちだということを忘れてはいけません。(ご当地ヒーロー)

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この記事でHAPPYな気持ちになったら

VOICE!happy news特派員・菅健介 20歳 大学生 広島県

広島にはこんなにかっこいいヒーローがいるということを知ってほしくてこの記事を選びました。

この記事を読み、児童虐待件数が増加している中、家族や地域間のコミュニケーションが大切であると改めて認識しました。また、手遅れになる前の通報も私たちにできることの一つだと思います。

つらい思いをする児童をなくすために戦うメープルカイザーをこれからも応援していきたいと思います。

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