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2017.06.15 update.

「つらかったら逃げて」

福井新聞社 | 2017年5月24日掲載

「つらかったら逃げて」 直木賞作家・村山さん 仁愛女と北陸高生に講演

高校生のための文化講演会(一ツ橋文芸教育振興会、福井新聞社共催)が23日、仁愛女子高と北陸高で開かれた。直木賞作家の村山由佳さんが講師を務め「つらいことがあったら逃げればいいよ」と優しく呼び掛けた。

村山さんは東京都出身。立教大卒業後、塾講師などを経て作家デビュー。1993年に「天使の卵-エンジェルス・エッグ」で小説すばる新人賞、2003年には「星々の舟」で直木賞を受賞するなどしている。

仁愛女子高では全校生徒約1170人が聴講。村山さんは小説を書き始めたきっかけについて「厳しい母から逃げるためだった。小説世界の中だけは自由でいられた」と話した。塾講師時代には、信頼してくれた女子生徒が自殺したという話を披露し「本当につらかったら死ぬ前に逃げて。その次は全力で自分が生きるにふさわしい場所を探して」と訴えた。

東日本大震災の後、ものが書けなくなった村山さんだったが、仙台市でのサイン会で、泥が付いた自身のデビュー作を手に持つ男性と出会ったエピソードを紹介。「男性から『震災の時、リュックにこの本を入れて逃げた。正気になれるのはこの小説の中だけだった』と言われ、涙が止まらなかった。ありったけの想像力で人と向き合い、言葉を発していくべきだと教えられた」と話した。

両校には、同振興会から文庫本各100冊と村山さんの著書が寄贈された。講演会は、同振興会と各地方新聞の共催で、毎年全国80校以上で開かれている。(堀英彦)

【写真説明】「つらいことがあったら逃げればいい」と優しく語りかける村山さん=23日、福井市の仁愛女子高

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VOICE!昆沙賀活輝 20歳 大学生 福井県

世界は広い、自分の周りで起こることは世界から見れば大抵どうでもよいことで、自分がそこから逃げ出したとしても、戦ったとしてもどちらでもよい。だったら逃げる。戦略的撤退である。ゲームになぞらえれば、HP(ヒットポイント)が少ない場面で敵のいる場所に行くプレーヤーはいないだろう。もっともそこに回復薬があるのならば話は変わってくるが。

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