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2014.03.09 update.

狩野 苦悩越え「金」

産経新聞社 | 2014年3月9日掲載

2大会連続の金メダルは、冬のパラリンピックで日本人初の快挙だ。8日のアルペンスキー男子滑降座位で優勝した狩野亮(かのう・あきら)(27)はゴール後、腕を突き上げた。この4年間、世界王者になったプライドや達成感から練習に力が入らず、もがき苦しんだ。どん底からはい上がる力になったのは、兄のように慕い、長年競い合ってきたエース森井大輝(たいき)(33)の存在だった。
4年前、母の照美さん(56)はカナダ・バンクーバーの青空の下、スーパー大回転で優勝した息子を見つめ、胸がいっぱいだった。小学3年の春に車にはねられてからの十数年間を思い返し「たくさんの友人が(回復を)祈ってくれ、亮が頑張ってきたことへのご褒美かな。実力以上のものが出て金メダルを取ってしまった」と感じていた。
北海道網走市出身。脊髄損傷で車いす生活となり「俺の苦しみは分からない」と照美さんに泣いて当たった時期もあった。救いは、チェアスキーとの出会いだ。中2で参加した全国大会。コブ斜面をジャンプしながら滑る森井に「かっこいいな」と驚いた。「いい滑りしてるな。一緒に練習しよう」と誘われた。
岩手大時代に初出場したイタリア・トリノ大会で惨敗。森井と一緒に練習して力をつけ、国際大会での優勝はバンクーバーが初。「金メダルはたまたま取れただけ」と自分に言い聞かせたが、講演に呼ばれてもてはやされ、練習に集中できず不振が続いた。表彰台に上がる森井の活躍を見ても「俺は何でそっちに行けないんだ」と心から祝福できなかった。
転機は昨シーズン。世界選手権で久しぶりに3位に入った。1位は森井だ。「もう一度、大輝さんに勝ちたい」と心に火が付いた。金メダルは過去のものとして、ソチに間に合わせようと切り替えた。
今回、森井は転倒し途中棄権したが、無線でコース状況を伝え「頑張ってな」と送り出してくれた。レース後「今回は狙って取った金メダル」と話した狩野。観客席で見守った照美さんの目からは涙がこぼれ落ちた。(配信:共同通信社)

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VOICE!happy news特派員・三重 20歳 学生 東京都

日本人初の冬季パラリンピック二大会連続金メダルという偉業を成し遂げた狩野選手が、苦しみや不調を乗り越えてきた姿に元気をもらえる。また、先輩である森井選手など周囲の人との絆が紹介され、スポーツ選手というだけではなく人間としての狩野選手を感じることができる記事である。写真にある狩野選手の笑顔には、私たちもがんばらねば、と素直に思わせる力があると思う。気温は寒くても、熱いソチパラリンピックのドラマにhappyになること間違いなし!だ。

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