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2016.01.13 update.

がんと闘った父思い

上毛新聞社 | 2015年12月4日掲載

アジア各国から作品が集まる「世界青少年発明工夫展」が11月中旬、台湾で開かれ、科学の夢を自由に描く「絵画14歳以上」の部門で、重病を治す「リーダー細胞養成キャンディー」を描いた富岡西中2年の金田仁愛(ひとみ)さんの作品が最高賞(金賞)に次ぐ銀賞に輝いた。金田さんは4月に53歳で亡くなった父、黄波さんが胃がんと闘う姿と、家族から聞いたがんの知識を基に「病に苦しむ人をなくしたい」と祈って創作した。
 金田さんが描いた絵画は、口に入れたキャンディーが各臓器の最も優秀で健康な細胞をリーダーに育て、ほかの細胞に働き掛けて病気を治す様子をイメージした。
 黄波さんに胃がんが発覚したのは2013年2月。全摘手術を受け、闘病生活に入った。金田さんに接する時は笑顔だったが、苦しそうな時もあった。食道まで異物感があり、薬を飲みにくそうな姿や、頻繁にのどあめを口にする姿を見て、容易に服用できる治療法が必要だと考えた。
 作品は昨年の夏休みに描き、今年3月に「第37回未来の科学の夢絵画展」小中学校の部で、全国8376点から上位5賞の発明協会長賞を獲得。同協会の推薦で台湾への出展が決まった。
 工夫展が開かれた台湾の会場で3日間、スケッチブック7枚に解説用の絵本を用意して英語で作品をアピールし、評価を高めた。最終日に表彰され、各国審査員が選ぶ台湾特別賞も受賞した。
 「あったらいいなを想像するのが好き」と言う金田さん。小学2年時から地元の発明工夫展に出品・受賞していた。将来の夢はまだ分からないが「人のために行動できるようになりたい」と力を込めた。
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VOICE!happy news特派員・高橋泰斗 21歳 会社員 群馬県

 今回紹介するのは、昨年4月にがんで父親を亡くした金田仁愛さんの絵画が、アジア各国から出品された「世界青少年発明工夫展」で最高賞(金賞)に次ぐ銀賞を受賞したことを伝える記事です。

 金田さんの作品は「リーダー細胞養成キャンディー」というタイトルですが、この記事を読んで注目したのは、「キャンディー」という言葉です。とてもユニークだと私は感じました。病気の治療に用いられるものといえば、薬や点滴、手術です。これを「リーダー細胞養成キャンディー」を使って各臓器を治していくという、現代医学ではなかなか思いつかないところに焦点を当てているからです。

 もうひとつ注目したのは「キャンディー」とした理由です。金田さんの父親が闘病中、薬を飲みにくそうにしていたり、普段からのどあめを口にしていた姿を見ていたことから、簡単に服用できる薬や治療が必要だと考えたからです。この思いやりの心が新聞を読んで、大変心に響きました。

 この賞に輝いた決定打は、インスピレーションを絵画へと昇華させた技量もさることながら、何と言っても父親への「思いやりの心」だったのではないでしょうか。

 

 

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