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2016.11.16 update.

豊かな自然と静寂 何もないぜいたく

静岡新聞社 | 2016年10月18日掲載

豊かな自然と静寂 何もないぜいたく 不便さ逆手に再整備-掛川・明ケ島キャンプ場(関本豪/掛川支局)

「携帯電話c2016101800000038000%e6%98%8e%e3%82%b1%e5%b3%b6%e3%82%ad%e3%83%a3%e3%83%b3%e3%83%97%e5%a0%b4は通じない」「とても行きにくい」―。2年前から閉鎖中だった掛川市山間部の「明ケ島キャンプ場」(同市炭焼)が、こんな不便さをあえて前面に打ち出して再オープンする。五感を研ぎ澄まし、四季の豊かな自然と穏やかな時の流れに身を委ねる「スローライフ」がここでの過ごし方。関係者は「何もないからこその価値観」を提案したいと意気込む。

(掛川支局・関本豪)

市中心部から北へ車で1時間。携帯電話が圏外になった後も細い山道をひたすら進むと、同キャンプ場に着く。緑に囲まれ、せせらぎと鳥の鳴き声だけが響く。同市のアウトドアプロデューサー松山拓也さん(43)は「星空も素晴らしいです」と教えてくれた。

同キャンプ場は1978年度の建設。2013年度末に市と使用貸借契約を結んでいた個人が運営から退き、休止に追い込まれた。

新たな管理者が見つからず、市役所内でも「廃止やむなし」の雰囲気が漂っていた中、地元の建設業「山田」=山田珠一社長(36)=が「地域の活性化に貢献したい」と名乗りを上げた。市からの無償貸与と松山さんの協力を受け、15年5月に再整備に着手した。

老朽化したコテージや管理棟を修繕し、荒れた森を切り開いて渓流にせり出す「ウッドデッキサイト」や宙に浮かぶような「ステージサイト」を作った。

一方で、電灯や安全柵などは最低限に抑えた。外部との連絡手段は管理棟の有線電話1台。山田社長は「ほぼないない尽くし」と笑いながら、それが一番の自慢だと胸を張る。

快適性が売りの高規格キャンプ場とは一線を画した考え方は、掛川が全国に発信してきた「スローライフ」につながる。松山さんは「絶対に携帯電話が鳴らない空間で、コーヒーを飲んだりするひとときを楽しんでほしい。こんなぜいたくはないですよ」と話す。慌ただしい現代社会だけに、非日常性が訴求力になると期待する。

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■22日プレオープン

再整備された明ケ島キャンプ場は、名称も「炭焼の杜 明ケ島キャンプ場」に変更し、22日から11月末までプレオープンする。正式な営業は来春からの予定。詳しい施設案内はホームページへ。

 

掲載写真

新たなコンセプトで再整備された明ケ島キャンプ場=14日午前、掛川市炭焼

静岡新聞社編集局調査部許諾済み

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VOICE!うんの 26歳 会社員 静岡県

この記事を読んで、数年前に友人を訪ねて海外に旅行したことを思い出しました。時間を忘れて友人としゃべり、メールや電話を気にすることなく湖畔や情緒あふれる街並みの風景を楽しみ、普段と違う、ゆったりした時間を過ごすことができました。 私は旅行が好きで、長期休暇が取れるとよく遠出をします。せっかくの休みだからと思うと、ついつい予定を詰め込んでしまいがちです。今年の休暇はあれもこれも・・・と計画を立てるのではなく、環境に身を任せてゆっくり過ごす時間も大切にしたいと思いました。

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