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2015.11.05 update.
初めての金賞は、顧問への最高の贈り物になった。東京・渋谷のNHKホールで10日行われた合唱の第82回NHK全国学校音楽コンクール全国コンクール高校の部。表彰式で銅賞、銀賞に続き、金賞が発表された瞬間、郡山の部員たちは歓声を上げて抱き合い、喜びの涙を流した。
本年度を最後に定年退職する菅野正美顧問(60)を喜ばせたいと、部員が一丸になって臨んだ舞台だった。佐川晴香部長(3年)は「3年の自分たちにとっての最後の『Nコン』というより、先生にとって最後という思いが強かった」と話す。
自由曲は東京都の作曲家鈴木輝昭さんに作曲を依頼した「混声合唱とピアノのための少年時」。東北ブロックコンクールでも満足な演奏をできなかった難易度の高い曲だったが、菅野顧問が「納得がいくまで妥協しない」と評する部員たちは、持ち前の根気強さで練習を重ねてきた。
迎えたこの日のステージでは、中原中也の「生」に対する思いが込められた詞を厚みのあるハーモニーで会場に響かせた。鈴木さんは「重厚で品格があり、合唱の王道をいく演奏だった」と称賛。部員にとっても会心の出来で、うれしさのあまり、歌い終えたステージ脇で涙を流す部員もいた。
菅野顧問にとっては、安積女高(現安積黎明高)時代以来、17年ぶり8度目のNコン金賞。定年という”最後のチャンス”での日本一に「生徒たちからの最高のプレゼント」と目頭を熱くした。
24日には全日本合唱コンクール全国大会を控える。「自分たちの伝えたいことを表現し、悔いのない演奏をしたい」と佐川部長。日本一になった自信を胸に、恩師と共に最後の大舞台を見据えた。
市長「心からお祝い」
品川萬里郡山市長は「金賞受賞、初の日本一、誠におめでとうございます。市民を代表し心からお祝いを申し上げる。これからも歌う喜びを分かち合っていただきたい」とコメントした。
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VOICE!happy news特派員・とめこ 19歳 大学生 福島県
朝起きて、新聞の一面を見たとき、とても嬉しい気持ちになった。今年の課題曲の作詞が歌人の穂村弘さんということで、前日の中継もぼんやりと見ていたが、まさか金賞に輝くとは思ってもなかったので、とても驚いた。さらに、記事を読むことで、顧問の先生が今年で定年ということで部員たちが自分たちのためではなく先生のために一丸になっていたことがわかりさらに胸が熱くなった。地元でよく見かける高校生が、こんなふうにひとつのことにひたむきに一生懸命になっている姿をみて、とても素敵だなと感じた。