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潮騒に誓う永遠の愛　松山・北条の海岸で結婚パーティー　地元男性演出 夫婦愛着の地で祝福

波打ち際に満ちる祝福の笑顔―。松山市土手内の海岸で３日、１組のカップルが結婚パーティーを開いた。海岸に強い愛着を持つ２人の思いを、瀬戸内の多島美に魅せられたブライダルプランナーが形にし、見慣れた北条地域の海辺の風景を門出にふさわしいステージに変えた。
パーティーの主役は、松山市道後町１丁目の飲食店経営国本雅文さん（２９）と弘江さん（３０）夫婦。
弘江さんは約５年間、海岸近くの家具店で働いていた。海岸にはよく夕日を見に来ていたといい、「ここからの眺めは思い入れが深い」。おととし秋に知り合った雅文さんとは海岸で夕日を眺めながら散歩し、将来を語り合った。この海岸でパーティーができないか―。２人の思いは高まった。
そんな願いに手を貸したのが、ブライダル総合プロデュース会社代表の戸田英清さん（３９）。名古屋市などでの勤務を経て、２００５年、出身地の愛媛に戻ってきた。瀬戸内の多島美を堪能できる風景にほれ込み、０６年には鹿島を望む海岸に面した土手内地区に会社を構えた。
戸田さんは、海岸で野外ライブを催すなど地域おこしにも取り組む。弘江さんが勤めていた家具店の男性経営者も仲間の一人。「こんなにいい場所は他にない。一つの空間として海がステージになる」。そう常々考えている戸田さんは、海岸の堤防に純白の布を掛けてテーブルやソファを並べるなどの演出を施し、夫婦の思いに応えた。
３日は集まった家族や友人約５０人がシャンパングラスを片手に祝福。２人は水平線に並ぶ二つの岩を指さし「夫婦岩もある」と笑った。いつもと変わらない波音が響く土手内の海岸はこの日、将来の幸せを誓う絶好の舞台となった。（吉井聡弓）

【写真説明】友人から祝福を受け、一緒に記念撮影する国本さん夫婦