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2016.10.24 update.
子どものユーモア詩2 お父さんのイビキ 金子竣(3年) (イラスト 赤嶺元気)
この前ぼくは
お父さんのイビキで
ねられませんでした。
その時お母さんが、
「鼻つまんでみようか?」
と言いました。
だからぼくは
だまって見ていました。
そしたら本当に
お母さんがつまんでいました。
そしたらお父さんは
静かになりました。
それでやっとねられました。
お母さんって
こわい人だな。
竣も、お母さんも眠れないというのですから、よっぽどすごいイビキだったのでしょう。
「ガ~、ゴ~!」でしょうか。それとも「グワァ~、ゴワァ~」でしょうか。
毛布をかぶろうが、耳をふさごうが、イビキの音は消えてくれません。眠ろうとすればするほど、気になるものです。
かといって、疲れて熟睡しているお父さんの鼻をつまむなんて、なかなかできるものではありません。
どうしようか? 顔を見合わせる竣とお母さん。動いたのは、お母さんでした。
「鼻つまんでみようか?」
「ぼくはだまって見ていました」
「そしたら本当に…つまんでいました」
「お父さんは静かになりました」
決断するお母さんとためらう竣。そして、安らかな眠りが戻ってきました。
臨場感たっぷりの詩で、ドラマの一場面を見ているような気がします。
やはりお母さんは偉大なのです。
決断できるのも、無理やり起こされたお父さんの怒りを自分で引き受ける覚悟があるからです。
「お母さんってこわい人だな」
そんなお母さんの気迫が伝わっているから、こんな言葉が生まれてくるのです。
(白梅学園大教授、元公立小教諭・増田修治) (第3金曜日掲載)
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VOICE!応募作品から 40歳 団体職員 茨城県
私も結構ひどいイビキだということは前から認識しており、中学1年生と小学3年生の娘に「イビキはうるさいか」と聞くと、二人からうるさいと言われてしまい、娘達が妻に話を振ると、妻は「パパも家族のために頑張って働いているし、消防団にも入って、少年団のコーチも引き受けているから、休日でも動きっぱなしでイビキ位はね」と娘達に言葉を掛けました。反省の色を見せる娘達と照れる私を尻目に、妻はさらに「どうせ、パパは寝たらまず起きないから、鼻をつまむだけじゃなく、布団から追い出しても大丈夫!」と続け、家族内が笑いに包まれました。竣君が感じたお母さんの強さ(こわさ)を娘達も感じたのではないかと思い、また、休日に家を空けることが多い私の代わりに家族を守ってくれている妻に増田修治教授の言う気迫を感じ、優しさと強さを持った妻と家庭を持ったことや反省できる娘達への感謝があふれ、この記事を発端に非常に幸せな気持ちになりました。