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2016.10.31 update.

102歳を記念し協会が創設 笹本恒子賞

東京新聞 | 2016年10月12日掲載

笹本恒子賞 102歳を記念し協会が創設 日本初の女性報道写真家

 

日本初の女性報道写真家の笹本恒子さん=神奈川県鎌倉市=が今年九月に百二歳を迎えたのを記念して、日本写真家協会は「笹本恒子写真賞」を創設した。

笹本さんは一九一四年、東京生まれ。四〇年に財団法人写真協会に入会した。当時の仕事は国策PRが多く、ナチス・ドイツの青少年組織「ヒトラーユーゲント」の来日や日独伊三国同盟婦人祝賀会など開戦前夜の日本を撮影。戦後は地方紙などを経てフリーに。連合国軍総司令部(GHQ)の最高司令官マッカーサー元帥や占領下の街を取材した。

戦後は六〇年安保闘争などを取材。警官隊との衝突で亡くなった東大生・樺美智子さん=当時(22)=の追悼集会や、国会議事堂付近に詰め掛けた群衆を撮った。このほど、「写真界のアカデミー賞」とも呼ばれる米国の「ルーシー賞」(生涯にわたる業績部門)の受賞が決定した。

笹本恒子写真賞の対象は三年以上の実績がある現役のプロ写真家。過去三年間の作品の中で社会の状況を鋭く切り取った写真家一人を選考する。賞金は三十万円。副賞として写真集の発行、または写真展を都内の会場で開催できる。

第一回の受賞者は来年十二月に表彰される予定。

 

「撮られるのは苦手」と手鏡を持ち照れる笹本恒子さん=神奈川県鎌倉市で

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VOICE!読者a 31歳 会社員 千葉県

「撮られるのは苦手」と照れる笑顔がチャーミングな日本初の女性報道写真家・笹本恒子さん。

戦前はナチス・ドイツの青少年組織「ヒトラーユーゲント」の来日や日独伊三国同盟の婦人祝賀会などを、戦後はGHQの最高司令官マッカーサー元帥や占領下の日本、三井三池炭鉱の労働争議、60年安保闘争などを取材し、記録したすごい方です。

ルーシー賞の「ライフタイム・アチーブメント部門賞」は生涯を通じ写真界に貢献した人が対象で、「厳しい時代を、自立心を持って生き抜いた女性を写し出した」と評価されたそうです。ちなみに私の好きなアンリ・カルティエブレッソンも受賞しています。

雑誌のインタビューで「何度か死んじゃおうと思ったことがあるけれど、生きてきたら100年が経っちゃった」と語る恒子さん。社会の状況をカメラで鋭く切り取りながら、しなやかなでひたむきに年を重ねてこられました。恒子さん、おめでとうございます!これからも後輩へエールを送ってくださいね。

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