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2017.05.30 update.

在京若手県人 固い絆

大分合同新聞社 | 2017年5月6日掲載

在京若手県人 固い絆/毎月集まる会 丸5年に/「古里のため」支援も

首都圏で活躍する20~40代の県出身者が活発に交流の輪を広げている。毎月、都内の居酒屋に集う「とり天ミーティング」は丸5年を迎え、今や都道府県別の在京若手県人会の中でも“ベテラン”だ。首都圏で開かれる大分のPRイベントやチャリティー行事に加わるメンバーも多く、郷里と東京をつなぐパイプ役を果たしている。

活動は2012年、NPO法人「大分人祭り」理事長の伊藤彩子さん(41)=神奈川県鎌倉市在住、大分市出身=らの呼び掛けで始まった。毎月1回、別府市出身の川野純一さん(60)が経営する居酒屋「とり天処つよし」(旗の台)に集合。とり天や手料理、大分の地酒に舌鼓を打ちつつ郷土の話で盛り上がる。

参加者は30人前後。初参加や久しぶりの人も多く、毎回新鮮なムードが漂う。常連の会社員枡田寛昭さん(40)=大田区在住=は宇佐市出身。「(標準語の)東京では言葉を選びながら話すのが窮屈だが、ここは大分弁が飛び交う。初対面でもすぐ親しくなれる」

4月に数カ月ぶりに参加した中津市出身のアカウントディレクター山中キミさん(42)=目黒区在住=は「みんな東京で何かにチャレンジしている。いつも刺激を受ける」という。

開催日はインターネットの会員制交流サイト(SNS)で告知。午後7時に始まり、仕事を終えた異業種の県出身者が和気あいあいと杯を交わす。その月に生まれた人を全員で祝う以外は特に決まり事はなく、自由で緩やかな運営が長続きの要因のようだ。

郷里への支援も光る。12年の大分県豪雨、16年の熊本・大分地震では伊藤さんらがSNSで郷里への支援を呼び掛けたところ、メンバーらが募金活動や首都圏でのチャリティーイベントに多数参加した。観光PR行事に加勢する仲間も多い。

伊藤さんは「離れていても、古里のために何かしようという気持ちがある。これからもみんなで大分の情報を発信していきたい」と話している。

SNS普及追い風

上京した地方出身の若手たちによる交流は都道府県単位でも進んでいる。

「フェイスブックなどSNSが普及し、投稿者の出身地も公開情報から分かるようになり、同郷者のつながりが広がっていったようだ」。各地のNPO法人などを支援するCANPANセンター(東京)の山田泰久代表理事は話す。

同センターと日本財団は2013年から、在京の若手県人会が一堂に会するイベント「出身地Day」を開催。毎回200人近くが参加するビッグイベントになっている。

11年の東日本大震災など、郷里の災害がきっかけで活動が本格化するケースもあるという。茨城、栃木、群馬3県の若手が交流会を開くなど、県境をまたいだつながりも深まっている。

活動が6年目に入った大分県人の若手交流について、山田代表理事は「都道府県別にみても大分は『老舗』に入る。取り組みは全国で一番活発なのではないか」と感服している。

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VOICE!さやぴ 19歳 大学生 大分県

近隣の都市で活躍する同じ地元の人と世代を超えた交流があることで、自分の故郷の方言で盛り上がったり、さまざまな悩みを相談することができる。そんな安心できる場を通じて、地元を離れる不安も払拭され、その上、故郷への支援をすることで離れていても地元とのつながりを感じられるので、参加している県内出身者の方にとって良い機会だと思った。また、このような在京若手県人会が大分の情報を他の都道府県に広めることで、大分に興味を持つ人々が現れ、大分の人口減少の歯止めにもつながるのではないかとも考え、県内の人にとっても良い機会になると思った。この両方向にとってプラスとなる交流の場がもっと広がっていくことで、大分がさらに活性化できると期待している。

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