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2014.12.11 update.
家庭や企業から出る余剰食材を引き取り、生活困窮者に無償で届ける「フードバンクふじのくに」の活動に、静鉄ストアが協力する。10日から20日まで静 岡、富士両市内のしずてつストア計8店に回収箱を設置する。バンク側は「誰もが足を運ぶスーパーが受け付け場所になる効果は計り知れない」と支援拡大に期 待する。
しずてつストアは10日から、静岡市は安東店や入江店、富士市は富士吉原店などに回収箱を設置する。賞味期限まで1カ月以上あり保存がきく乾麺やレトルト食品などが対象。フードバンクへの企業の協力は主に余剰品提供で、回収活動支援というスタイルは珍しい。
バンクは県労働者福祉協議会や県生活協同組合など13団体で5月に設立した。困窮者側のニーズに一時追いつかない時期があったが、夏の回収強化期間に目標を5割上回る770キロを回収した。10月末には累計で7トンに到達し、活動は軌道に乗りつつある。
バンクは目標値を上方修正し、さらなる周知を目指す。鈴木和樹事務局長(34)は「構成団体が多様になったことが信用につながり、協力企業を増やしている」とみる。
一般の提供者は家庭で食材を管理する女性が圧倒的に多い。企業からの提供だけでは種類に偏りが生じがち。品ぞろえを豊富にするためには一般提供の食品が 欠かせない。「女性の意識の高さに支えられてきた」という鈴木事務局長は「より手軽に提供できる環境ができたはず。行きつけのストアで回収箱を見掛けた ら、買い物ついでにぜひ協力してほしい」と力を込めた。
(大須賀伸江)
【写説】フードバンクの回収箱の準備をする関係者=6日、静岡市葵区のしずてつストア安東店
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VOICE!happy news特派員・しらやなぎ 25歳 会社員 静岡県
家庭や企業から余剰な食品を引き取り、生活困窮者に無償で届けるフードバンク事業。この記事にあるように、スーパーマーケットが回収の窓口になるのは画期的だと思う。スーパーマーケットは、主婦らが毎日のように足を運ぶであろう場所。回収箱が目に触れる機会が多くなればなるほど、フードバンクという制度の認識率も上がり、当たり前のように受け入れられるのではないだろうか。口コミによる広がりも期待でき、さらに回収量は増えるだろう。フードバンクの回収支援は、気づかないうちに賞味期限を迎えていずれ破棄される運命にある多くの食品を救うだけでなく、家庭での過剰な買い置きを防ぐ節制効果もある。今後、ほかのスーパーマーケットのみならず、コンビニ店などでもこの取り組みが広がれば、より多くの生活困窮者が救われるはずだ。