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［てかがみ］懐かしい手紙
2015年03月06日(金) 愛媛新聞 朝刊
久しぶりに押し入れの整理をしていると、赤いペンで「ポストカプセル」と書いた封書が出てきた。６０円切手に「あなたに届ける夢の郵便、科学万博」と印が押してある。
あのころはまだ若く、主人にも書くよう誘ったが「自分はもうこの世にいないかもしれないので遠慮する」と書かなかった。私だけが書いて、受取人を主人の名前にした。投函（とうかん）したのは昭和６０年８月３０日。そして平成１３年１月１日、お正月の朝に配達してもらった。
わが家の家族構成から仕事のことまで、あれこれ書いている。あの当時幼かった孫たちにも子どもができて、今では６人のひいばあちゃんになってしまった。
自分たちの修学旅行は太平洋戦争のためになかったのだが、遅くに思いついてもらい九州へみんなで行ったことも懐かしく読むことができた。今は亡き近所のおばちゃんたちのことも書いていたので、思い出にふけっている今日このごろである。
「来るべく二十一世紀を楽しみに つくば万博に感謝して」と書いて終わっている。（西予市 三瀬みつぎ ８４歳・無職）