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2015.08.26 update.

絶望の中、支えてくれた友を祝福

南日本新聞社 | 2015年3月6日掲載

絶望の中、支えてくれた友を祝福

事故で障害、転学の立山君 志布志高卒業式に出席

志布志市の志布志高校で2日、卒業式があり、保護者席最後列に2年生で転学した立山颯大君(18)の車いす姿があった。競泳の全国中学総体を制した期待のスイマーは2年前の交通事故で胸から下が不随に。絶望する立山君を同級生は支え続け、立山君もリハビリ現場から同級生にエールを送り続けた。卒業生答辞では「みんなの気持ちを一つにしてくれた」と立山君への感謝の言葉も飛び出した。

立山君は2013年2月、水泳の練習帰りに自動車事故に遭った。頸椎(けいつい)骨折。7カ月間の入院後、自宅でのリハビリ生活が今も続く。2年に進級したものの一度も出席できず、年度末に転学した。
それでも級友は待ち続けた。「そーだいクラス 君がいて僕等がいる」と書き込んだ学年カラーの黄色い旗は転学後も文化祭、体育祭など学年がまとまる機会にいつも掲げられた。輪番で授業の様子やメッセージを日誌につづり、担任の山之口輝美教諭(27)が定期的に届けた。「帰った時に寂しい思いをさせたくない」と仲良しの女の子たちは、素人なのに水泳部に入った。
復学はかなわなかったが、学校行事には車いすで顔を出し、センター試験当日も手紙を送って生徒を勇気づけた。「いつも笑顔で誰にでも優しく接してくれた頼もしいリーダー。つらい思いをしていることは全員分かっていたので励ましたけど、逆に支えてもらった」と親友の鈴木星良君(18)は振り返る。
卒業式後のロングホームルーム。立山君は教室で仲間に感謝の言葉を口にした。
「正直、死にたいと思ったこともあった。みんなの温かいメッセージが、自分が能天気でポジティブだったことを思い出させてくれた」(小田洋太郎)

【写真説明】仲間の卒業を祝福する立山颯大君(中央)=志布志市の志布志高校
【写真説明】復学を待つ同級生が作った旗

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彼が水泳ですばらしい記録を出し、水泳界で活躍していることは知っていたが、最近ニュースに出ないのでどうしたのだろうと思っていた。彼が交通事故に遭っていたということ、さらに転学していたにもかかわらず友人のいる高校卒業式に参列していたニュースに心をうたれた。

輝かしい将来を夢見ていた少年が突然の事故で胸から下が不随になるという絶望の中から立ち上がり、友人にエールを送り続けていたことは驚くべき精神力の表れである。

省みて、リタイヤ後に少々のことでつい不満を口に出してしまう自分と比べて人間として器の違いに気づかされるのである。

ここに至るまでのご家族はじめ、学校当局の支援も並々ならぬものがあったと推測できるが、この記事に久しぶりに励まされた。

写真から本人や友人たちのはち切れんばかりの明るさがうかがわれる。この若者たちに心からの拍手を送りたい。

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