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2015.06.11 update.

「犬殺処分ゼロ」へふるさと納税

中国新聞社 | 2015年5月29日掲載

広島県神石高原町へのふるさと納税の寄付が急増している。2014年度は前年度比66・5倍の3859件、総額は同48・5倍の7862万円。15年度も増加傾向が続く。寄付金の使い道を、犬の殺処分ゼロを目指す同町のNPO法人ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)の活動支援に指定できるようにしたことで注目度が高まった。全国の自治体が地元産品などの「お礼」をアピールして寄付を増やそうと躍起になる中、使途で選んでもらう戦略が成功した。(小林可奈)

同町は14年度から、ふるさと納税の寄付者が寄付金の使途として町内の団体活動の支援を選べるようにし、選択肢として31自治振興会と、PWJを含む6NPO法人を挙げている。指定された団体には寄付額の95%が支給され、残る5%を町が活用する。
14年度は、件数、総額とも全体の97%前後の3770件7609万円がPWJの支援を指定した寄付だった。本年度も5月27日時点で、申し込み1998件、4157万円のうち、PWJ支援が1971件4106万円と大半を占める。
PWJは、殺処分の対象となるなどした犬を引き取って育てている。16年6月までに、広島県内の犬の殺処分をゼロにする目標も掲げる。寄付金は、保護した犬の治療費や食費などに充てるという。PWJ支援を指定して同町に寄付した京都市中京区の会社員井上義雄さん(53)は「殺処分ゼロを応援したかった」と話す。PWJは「犬の保護には多額の費用が掛かる。ありがたい」と感謝する。
総務省市町村税課は「特色ある使い道が共感を呼び、寄付につながっているのでは」とする。同町まちづくり推進課は「予想以上の反響で全国的に町の知名度が上がった。他団体の活動にも関心と支援が広がれば」と期待している。

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ふるさと納税 応援したい自治体に寄付すると、2千円を超えた額が、住民税などから減額される制度。2008年度にスタートした。ことし、減税対象となる寄付の上限が約2倍に引き上げられた。各自治体は寄付のお礼に特産品などを贈っている。広島県神石高原町も、自治振興会・NPO法人支援を指定しない場合、1万円以上の寄付を対象に、こんにゃくなどの特産品を贈っている。

【写真説明】保護された犬を飼育するPWJのスタッフ(広島県神石高原町)

HN150529神石高原に寄付急増

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VOICE!happy news特派員・中山 小己 20歳 広島大学3年 広島県

寄付に対する「お礼」ではなく、寄付金の「使い方」に興味を持ってもらうことで寄付を増やすという形は、ふるさと納税制度を有意義に活用していると感じました。そして殺処分の対象になってしまった犬を引き取り、助けたいと思いながらも、事情があってそうすることが出来ない人々にとって、とても魅力的な制度であると思います。将来、犬の殺処分ゼロが達成されることを心から願っています。

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