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2015.06.26 update.
県立学校の教師として、不登校の子どもたちの指導に長年携わった長瀬節子さん(61)=昭和町河東中島=が、不登校の子どもたちの居場所作りに取り組んでいる。今春、自宅敷地内に「フリースペース 花みず木」を開設。子どもたちに個別に対応し、料理や運動、美術といった活動を通じて、自信を取り戻せるようサポート。集団活動に慣れるためのプログラムも用意している。〈高野芳宏〉
長瀬さんは約30年間、県立学校で教師を務め、このうち15年間は不登校を経験した小中学生を指導。退職後は2012年から今年3月末まで、スクールソーシャルワーカーを務め、学校と協力しながら、不登校の子どもや両親などに対応した。
「集団活動が苦手な子どもを数多く見てきた」と言う長瀬さん。県や学校などによる支援もあるが、「子どもたちは十人十色。まずは個別で対応できる場所があってもいい」と、自宅敷地内の離れを改装し、4月から本格的に活動を始めた。
活動を選択
10畳の和室、洋室2部屋(13平方メートル、10平方メートル)のほか、台所があり、子どもたちは、ストレッチや卓球、カラオケ、ピアノ、お菓子作り、手芸、絵画など自分が希望する活動内容を選ぶことができる。
対象は小学生から高校生を想定しているが、「高校卒業後は、学校からのサポートなどがなくなる。ひきこもりを防ぐための居場所にもなればいい」と、明確な線引きは設けていない。
スタッフは長瀬さんのほか、同僚だった教職経験者、ピアノ講師や手芸のインストラクター資格者など7人で、それぞれの専門分野で個別に対応する。活動日は火、水、木曜。
長瀬さんは「子どもたちには、好きなことに取り組むことで自信や意欲を取り戻したり、エネルギーを充電したりしてほしい」と話す。
気軽に参加
集団生活に慣れてもらおうと、テレビゲームやトランプ、カラオケ、ストレッチなどに複数やグループで取り組むメニューも用意。普段、同所を利用していない子どもたちも楽しめるイベントも開いていく予定。
長瀬さんは「スタッフと協力し、子どもたちが無理せず、気軽に来ることができるような場所を提供していきたい」と話している。
料金は個別対応は1回(60分)2千円、2、3人の複数対応(同)は1千円、4人以上の集団対応(同)は500円から。個別対応は予約制。
問い合わせは長瀬さん、電話090(2440)3668。詳細はホームページ(http://freespacehanamizuki.com/)で。
【写真説明】
不登校の子どもたちの居場所作りに取り組んでいる長瀬節子さん(中央)
「フリースペース 花みず木」。和室では、ストレッチなどの体操もすることができる=いずれも昭和町河東中島
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VOICE!happy news特派員・陶守 敬仁 21歳 学生 山梨県
不登校の子どもたちと関わったことのある方はどのくらいいるだろう。僕ははやりのインターンシップとして、そんな子どもたちの教育支援に携わる機会をいただいたことがある。集団活動が苦手、自己肯定感が低い。子どもたちを記述する言葉は多く出回っている。一方で、そんな「現象」の根本にアプローチした活動はまだ少ない。今回選んだ記事では、そんな子どもたちの指導に長年携わった方らしい、子どもたちの個性や自信につながる素敵な取り組みがなされているようだった。不登校は、僕たち自身にも起こりえた、そして起こりうることだ。これからこんな取り組みが増えればいいな、と素直に思った。