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2016.06.02 update.
被災地に今年も届けたいが… ハナモモの寄贈 ピンチ 資金不足、寄付訴え-浜松の園芸家天野さん
県ボランティア協会を通じて東日本大震災の被災地にハナモモの苗木を寄贈する園芸家天野和幸さん(75)=浜松市中区=の慈善活動が継続困難になっている。同協会が被災地に派遣する植樹ボランティアのめどが、資金不足のため今年は立っていない。被災地との交流を続けるため、関係者は寄付を呼び掛けている。
同区でバラ園「ばらの都苑」を開いている天野さんは約4千平方メートルの園内で赤、白、ピンクのハナモモ200本を育てている。震災発生を受けて「少しでも被災者の心の支えになれたら」と、4年前から苗木の寄贈を開始。これまで岩手県の釜石市、遠野市、大槌町に計1730本を提供した。同協会も活動の協力金を出資する「苗木オーナー」を募集し、集めた浄財を苗木の維持管理費として被災地に贈ってきた。
一方、震災から5年が経過して被災地支援のために同協会に寄せられる寄付金は減少。現地での植樹会の開催費数十万円が工面できない状況だ。天野さんは「継続できるなら来年も再来年も贈りたいし、その準備もしている」と思いを話す。同協会の小野田全宏常務理事(68)は「被災地の住環境が整えば、要望がこれまでより出てくる取り組み。何とか続けたい」と寄付を募っている。
問い合わせは同協会<電054(255)7357>へ。
【写説】被災地にハナモモの寄贈を続ける天野和幸さん=浜松市中区の「ばらの都苑」
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VOICE!happy news特派員・かきだ 26歳 会社員 静岡県
東日本大震災の発生から5年。息の長い支援で復興の一助になろうとする天野さんに胸を打たれた。先日発生した熊本地震でも、大勢のボランティアが現地入りしている。いずれはボランティアも引き揚げていくだろう。ただ、ハナモモを通じて天野さんと岩手県の被災地が結ばれたように、支援が新たな交流のきっかけになってほしい。被災者が災害で得たものを見つけられた時、復興への歩みが始まると思う。