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2016.06.10 update.
就活生 にじむ焦り
面接解禁目前、戸惑いながら“本音”
「友人は内々定」「まだ準備不足」
来年3月卒業予定の大学生らの就職活動で、面接などの採用活動が解禁される6月を目前に控え、就活生に焦りと戸惑いの色がにじんでいる。就活スケジュールが大幅に変更された昨年と同様、中小企業を中心に面接などの解禁前に「内々定」を出している企業は少なくないとみられ、就活生からは「もう『内々定をもらった』と話す友人がいる」との声が上がる。面接などの解禁が昨年より2カ月前倒しされた分、「じっくり企業研究に取り組む時間がない」と不満を漏らす学生も。「短期決戦」と言われる就活戦線を追った。〈戸松優、坂本一真〉
「営業担当として1週間で100万円の売り上げノルマをどうやって達成しますか」。4月下旬、山梨学院大4年の原朋美さん(21)=甲府市=は東京都内で開かれた広告企業の採用試験に参加した。
6人一組で目標の達成方法を提示するグループワーク。周囲の就活生は説明会の解禁前にインターンシップ(就業体験)に参加した経験があり、自分だけが議論に参加できず、準備不足を痛感したという。
原さんが就活を始めたのは企業の説明会が解禁される1カ月前の2月。広告業界など志望企業の多くは6月以降に選考試験が始まるが、友人の中には既に「内々定」を得た人もいる。先輩の就職活動の準備スケジュールは参考にできず、経団連が定めたスケジュールに沿って活動を進めたにもかかわらず、「出遅れてしまった」と焦る。
一方、山梨県立大の男子学生(22)=甲府市=は今月中旬、県内のIT関連企業から内々定を得た。就活を始めたのは説明会が解禁された3月。約120社にエントリーし、3月中にエントリーシートの提出や選考試験が始まる企業もあった。説明会から面接までの期間が3カ月に短縮され、スケジュール管理に追われた印象があるという。この学生は「もう少し日程に余裕があれば、じっくり企業研究にも取り組めた。準備期間が2カ月も長かった昨年の先輩たちがうらやましい」と不満を漏らした。
山梨英和大で就職支援を行う学生サービス部には、説明会が解禁される以前から「いつから就活を始めればいいのか」と不安を抱える学生の声が寄せられていたという。担当者によると、選考の解禁が8月だった昨年は、経団連の指針を順守する大手企業に先立って選考を始める中小企業が目立った。今年も3月の説明会解禁直後から選考活動を始める企業があり、担当者は「企業側も学生側も毎年スケジュールが変わることに困惑している」と話した。
写真説明 企業ガイダンスで、企業の説明を聞くために列をつくる学生=昭和・アピオ
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VOICE!happy news特派員・実方優大 21歳 大学生 山梨県
私は来年3月卒業予定の就活生です。見出しを見て、自分も焦っていたことに気づきました。選考開始が6月ならまだ時間がある…と思っていましたが、あっという間に6月を迎えてしまうことに驚いています。私が履歴書を送るなどしてエントリーした企業数は1社のみ。選考は5月上旬から始まっていました。友人の中には第1志望の企業から内定をもらっている人もいます。当然焦りを感じています。就活スケジュールに惑わされず、自分自身のこれからのビジョンを明確にしておくべきだったなと感じます。