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2016.08.30 update.
「大勢の人が来て『素晴らしい』『どうしてこんなにきれいに咲くの?』と言ってくれる。それがうれしい」
坂城町中之条のさかき千曲川バラ公園で300品種、2200株ほどのバラに囲まれ、穏やかな表情で話した。公園を管理する町民らのボランティアグループ「薔薇人(バラード)の会」会長で、12日まで公園で開かれた「信州さかきばら祭り」の実行委員長を務めた。
会には、2001年11月の発足当初から加わった。06年には会や町でつくる実行委主催のばら祭りがバラ公園で始まった。14年度、4代目の会長に就任。「いかにきれいな花を咲かせるか」を心掛け、町民中心の会員70人余りをまとめている。
東京生まれ。父親が軍用車の整備の仕事をしていたため、第2次大戦中の幼少期は樺太(ロシア・サハリン)や朝鮮半島で暮らした。朝鮮半島では薬草や、薬になると言われたミミズを捕るなど「自然に親しんでいた」と懐かしむ。
戦争が終わり、9歳のころに父親の実家の坂城町に移り住んだ。麦や大豆、野菜などを育てて生計を立てた父親の手伝いで農業に関わるように。「理論的、科学的に農業を学びたい」と上田松尾高校(現上田高)から東京農業大に進学。卒業後は県職員になり、県農業試験場や県野菜花き試験場に勤務。トルコギキョウやキクなどの品種改良、栽培技術の改善に携わった。
定年退職後の01年、バラの産地として知られていた坂城町の千曲川沿いに、町がバラ公園を整備する話が持ち上がり、花き栽培の専門家らでつくる世話人の会合に参加。バラのアーチを二つ設けたり、エリアごとに同系色の品種を植えるといった公園の配置やデザインを一緒に考えた。
薔薇人の会はほぼ一年中、バラと関わっている。2月に枝切り、3月に牛ふんの堆肥やウッドチップをまき、4~5月は草取りをする。ばら祭りの期間中も挿し木講習会で講師を務めたり、育て方の相談に乗ったりしている。8月下旬には再び枝切りなどをする。「管理は他の花と比べて難しく、土の管理をうまくしないときれいに花は咲かない」と話す。楽な作業ではないが「会員がみんな生き生きと、張り切ってやってくれている」と感謝する。
そうして丹精した花は現在、見頃を迎えている。祭りが終わっても今月いっぱいは十分に楽しめそうだ。
今後は、一時中断していたバラの育て方の講習会を復活させたいと考えている。「愛好家が増え、各家庭でバラを育ててくれるようになればいい」。町中にバラの香りが漂う日を楽しみに、「バラのまち」の“土壌”をつくるつもりだ。
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VOICE!happy news特派員・山口 友華 20歳 短期大学性 長野県
町民が中心となりこうした活動をすることは、町おこしにもつながるので素晴らしいことだと思った。また、町民同士の交流も深めることができ、町も町民も元気になると感じる。 講習会など積極的な活動により、これからさらに美しいバラの咲く町になっていくだろう。この活動は、観光客の増加にも繋がると考える。長野はとても自然に恵まれた県だ。坂城町の取り組みを見習い、自然を活かした地域活性化に私も貢献していきたい。