BACK INDEX

HAPPY NEWSハッピーニュース

2016.10.14 update.

醤油ダブル日本一

福島民報社 | 2016年10月1日掲載

醤油ダブル日本一 全国品評会 県勢初の快挙

日本醤油(しょうゆ)協会主催の第四十四回全国醤油品評会で最高賞の農林水産大臣賞に高砂屋商店(会津坂下町)と山形屋商店(相馬市)の製品が選ばれた。同協会が三十日、発表した。高砂屋商店は三十年ぶり二度目、山形屋商店は二年ぶり三度目の最高賞。最高賞四点のうち半数の二点が県内で、本県の醸造元が最高賞を同時に受賞したのは初めて。全国新酒鑑評会で金賞受賞数四年連続「日本一」の日本酒に続き、醸造技術の高さを全国に示した。

■「福島方式」 高品質の源 風評払拭へ業界一丸

今回の全国品評会での最高賞ダブル受賞は、県内の各醸造元が同業他社や県醤油醸造協同組合と連携しながら品質向上に努めてきた成果が実を結んだ。

同協組などによると、全国の醤油出荷量はほぼ横ばい。ただ、本県は東京電力福島第一原発事故による風評の影響で減少している。出荷量は原発事故前の平成二十二年に比べ、四割ほど少ないままだ。

危機感を抱いた業界の有志は二十三年十月に勉強会をつくった。全国品評会で入賞した醤油を集めて色、香り、風味などを研究し、良質な製品の生産に生かしている。

全国でも先駆的な取り組みも功を奏した。県内業者の多くは二本松市にある同協組の工場で造った醤油のベースとなる液体「生(き)揚げ」を使っている。生揚げに加熱、殺菌処理などを施す「火入れ」を行い、各社独自の商品に仕上げている。

高い技術を必要とする生揚げの協業化により生産の効率化を図る取り組みは昭和三十九年に全国で初めてスタートし、「福島方式」として各地に広まった。

県醤油醸造協同組合の林寛理事長(48)=会津若松市・林合名会社代表社員=は「金賞受賞数四年連続日本一の日本酒に負けてたまるかという思いで取り組んできた。日本酒とともに福島が『醸造王国』となるよう頑張りたい」と意気込む。

■高砂屋商店(坂下) 代表社員 桑原 勇さん46 香り際立つ製造法確立

「一番の定番商品が評価されてうれしい」。代表社員の桑原勇さん(46)は「キッコーキンタカサゴ特級醤油」の三十年ぶりの受賞に喜びをかみしめる。

明治四十五年の創業で、特級醤油は会津の郷土料理を支える調味料として地域に親しまれてきた。五代目の桑原さんも先代から造り方を受け継ぎ、味を守り続けてきた。

しかし、長年受賞から遠ざかっていく中で「時代の変化とともに進化できないか」と考え、今年に入って製造工程を見直した。突然味が変わると客に迷惑が掛かる。着目したのは香りだった。

醤油を加熱する「火入れ」の温度や加熱時間を変えることで、まろやかな味わいはそのままに、より香りを際立たせることに成功した。「おいしい醤油をベースに新たな調味料の開発を進める。家庭においしい食べ方を提案し続ける」と胸を張った。

問い合わせは高砂屋商店 電話0242(83)2032へ。

■山形屋商店(相馬) 代表社員 渡辺和夫さん46 福島ブランド向上決意

創業百五十三年の老舗醸造元。平成二十五、二十六年と二年連続で最高賞を受賞した。二年ぶりの王座奪還に代表社員の渡辺和夫さん(46)は「県産醤油の品質の高さを証明できた。福島ブランドを向上させたい」と決意を新たにしている。

最高賞を受けた「ヤマブン本醸造特選醤油」は食欲をそそる香ばしい香り、深いうまみ、色や風味のバランスが特徴。普段の食卓で毎日利用してもらえるようにと、気取らない味や価格を心掛けている。

東京電力福島第一原発事故の風評で売り上げが落ち込んだ本県産醤油の発信力強化を願い二十五年、約四十年ぶりに出品し、最高賞を得た。「受賞によりブランド力が上がる。風評払拭(ふっしょく)の一助になれば」と願う。「日本一」を合言葉に業界挙げて取り組んできた。「さらなる品質向上に努めたい」と誓っている。

問い合わせは山形屋商店 電話0244(35)2966へ。

■ヤマボシ醤油(白河) 代表社員大槻 安生さん59 農水省局長賞初受賞

白河市の老舗が造る「ヤマボシ醤油・吟上」が最高賞に次ぐ、農林水産省食料産業局長賞(七点)を初受賞した。代表社員の大槻安生さん(59)は「東京電力福島第一原発事故の影響で売り上げは落ちたが、品質の高さを正当に評価してもらった」と声を弾ませた。

東日本大震災で醤油を生産していた土蔵が損壊した。屋根瓦が散乱するなど被害は甚大だった。「創業した明治五年から続く伝統を絶やしてはいけない」。平成二十六年に新工場を建設。まろやかな味わいが自慢の商品を守り抜いた。大槻さんは「名誉ある賞を励みに消費者に喜んでもらえる商品を作り続ける」と意欲を見せている。

問い合わせはヤマボシ醤油 電話0248(23)3026へ。

■受賞社たたえる 東京で表彰式

東京都中央区のロイヤルパークホテルで三十日、表彰式が行われた。高砂屋商店代表社員の桑原勇さん、山形屋商店代表社員の渡辺和夫さん、ヤマボシ醤油代表社員の大槻安生さんが賞状を受けた。

このほか、県内から優秀賞(三十四点)に林合名会社(会津若松市)の「こいくちしょうゆ イゲタ特級しょうゆ」、星醸造(喜多方市)の「こいくちしょうゆ 丸大豆」が選ばれた。

年一回開催される国内唯一の全国規模の品評会。全国の予選を通過した二百四十七点が審査された。

%e3%83%8f%e3%83%83%e3%83%94%e3%83%bc%e3%83%8b%e3%83%a5%e3%83%bc%e3%82%b9%ef%bc%91%ef%bc%90%e6%9c%88

この記事でHAPPYな気持ちになったら

VOICE!happynews特派員・浅野琢磨 21歳 大学生 福島県

全国醤油品評会で、最高賞の農林水産大臣賞に福島の醤油二点が選ばれました。最高賞四点のうち二点が同時に受賞したのは県内初で、全国新酒鑑評会で金賞受賞数四年連続日本一の日本酒に続く快挙です。福島の醤油は原発事故による風評の影響で出荷量が減少しているそうで、危機感を抱いた業界の有志は勉強会をつくり、全国品評会で入賞した醤油を集めて研究を重ねました。風評に負けないその努力が、実を結んだようです。まだまだ復興は道半ばですが、福島の人々の努力が着実に復興を推し進めていることを知ることができ、とてもうれしい気持ちになったニュースでした。

HAPPY NEWS SHARE RANKINGHAPPY NEWS facebookシェア ランキング