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記者走る/ つれづれ日記 日田支社・井上有紀子 豪雨に耐えた稲に決意

大分合同新聞社 | 2017年11月1日掲載

記者走る/ つれづれ日記 日田支社・井上有紀子 豪雨に耐えた稲に決意

 日田市の夜明にこにこ保育園の園児が10月中旬、福岡・大分豪雨の被害を免れた田んぼで稲刈り体験する様子を取材した。

 作業したのは大鶴地区上宮町にある藤井和彦さん(72)の田んぼの一角。20年近く前から同園の5、6歳児が田植え、稲刈りを体験してきた。今回、多くの田んぼが水に漬かったが園児用のものは無事だった。

 園も床上浸水の被害を受け、園内の野菜プランターが濁流で流されて悲しんだ園児もいたという。この日は稲を丁寧に鎌で刈り取り、収穫の喜びを感じた様子。藤井さんは「米作りの楽しさや大変さを知って、大人になってほしい」と見守った。

  田んぼだけでなく水路も壊れ、今も復旧を待つ。藤井さんは「何度もだめだと思ったが、稲は“生き抜いて”くれた。私たちも頑張らないと」と決意を新たにしていた。 (日田支社)

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 日田市の保育園児が稲刈り体験をしたこの記事の中で、園児が通う保育園も福岡・大分豪雨の被害を受け、大変悲しい思いをしたとのこと。しかし、この田んぼを管理している農家の方は、自分の田んぼの多くが水没し、水路も壊れ、我が身のことで精一杯の中、園児たちの田んぼを災害後も大切に育てていたのである。この災害によって、園児たちはプランターを失い、農家は田んぼを失った。物の大きさは違うにしろ、同じ思いを共有し、この災害を生き抜いた稲から生きる勇気を与えてもらったようだ。
 農業は、自然に決して逆らうことなく、また自然を恨むことなく現実を全て受け入れ、その結果得られた小さな恵みにも感謝し、その喜びをみんなで分かち合う。それが明日への糧となり、また、みんなを幸せにする。この経験をした園児たちは、これからの人生の中でご飯を通じ、食べ物のありがたさを決して忘れないだろう。実に心温まる記事だった。

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