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2017.02.13 update.
三十一文字に込める青春 清泉女学院高の3人「SEITO百人一首」入選 親への感謝や学校生活…感性光る
国内外の高校生を対象にした第15回「SEITO(セイト)百人一首」短歌コンクール(同志社女子大主催)で、いずれも長野清泉女学院高校(長野市)3年の宮沢野々花さん(17)、塚田瑞穂さん(18)、池上未来(みき)さん(18)の作品が入選した。応募総数4万5436点から入選の100首に選ばれた。3人は親への感謝の気持ちや学校生活への思いを込めた。
池上さん「この席もあの下駄(げた)箱もロッカーも 来年からは知らぬ君のモノ」
塚田さん「憧れを叶(かな)わぬ夢と笑わずに 寄り添う母と背中押す父」
宮沢さん「母の日に線香のかおり立ちこめて 母にとっては『自分の日』でなく」
宮沢さんは「母の日に線香のかおり立ちこめて 母にとっては『自分の日』でなく」と詠んだ。昨年5月8日の母の日、亡き祖母の仏壇に線香を供え「いつもありがとう」とつぶやいた母の後ろ姿を見て歌が浮かんだ。「新鮮な気付きだった」といい、「自分が母親に面と向かって感謝の言葉を伝えられるのは幸せ」と感じたという。
「憧れを叶(かな)わぬ夢と笑わずに 寄り添う母と背中押す父」と詠んだ塚田さん。受験勉強を支えてくれた両親への感謝の思いを「飾らずに、率直に歌に込めた」という。進路選択に悩んでいた夏休み、母親は不安な気持ちを察して相談に乗ってくれ、父親は「決めたことは頑張りなさい」と励ましてくれたという。
池上さんの作品は「この席もあの下駄(げた)箱もロッカーも 来年からは知らぬ君のモノ」。卒業を控えて「寂しさもあるけれど、将来への前向きな思いもある」という気持ちを詠んだ。恩師や同級生ではなく、日頃使い込んだ席や下駄箱などをあえて登場させて哀愁を誘った。
今回初めて短歌を作ったという3人。宮沢さんは「言葉の順番一つだけでも印象が変わる。奥が深くて楽しめた」と話した。絵を描くことが好きという塚田さんは「思いを表現するという点では同じ。自分に向いてるかもしれない」。池上さんは3年間の学校生活を振り返り、「充実していてあっという間だった。歌に残せて良かった」と笑顔を見せた。
短歌コンクールは、生徒の表現力を磨き、世界観を広げる機会にしてもらおうと毎年開いており15回目。長野清泉女学院高校は3年生約160人が夏休み中の課題として短歌を作り応募した。
【写真】賞状を手元に笑顔で話す(左から)宮沢さん、塚田さん、池上さん
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VOICE!山本治加 22歳 大学生 長野県
「母親に面と向かって感謝の言葉を伝えられるのは幸せ」、感謝の思いを「飾らずに、率直に歌に込めた」。そう述べた高校生は自分より大人だ。中学生の頃、祖母は勉強する私を隣で見守ってくれたが、反抗期のため素直に感謝できず、そのまま時が経った。しかしこの新聞記事を読み「感謝」を見直すきっかけになった。まずは、見直すきっかけをくれた記事に感謝したい。今後帰省した際、感謝の気持ちを面と向かって言ってみようと思う。