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2017.05.23 update.

職場の理解 仕事の励み

中国新聞社 | 2017年4月16日掲載

職場の理解 仕事の励み

性同一性障害 安佐北区の米田さん 「居場所 やっと得た」

心と体の性が一致しない性同一性障害(GID)の米田未那さん(60)=広島市安佐北区=が、職場の理解を得て仕事に打ち込んでいる。男性の体で生まれたが心の性は女性。更衣室やトイレは女性用を使い、同僚も優しく見守る。「やっと自分の居場所を得た」。性的少数者(LGBT)が働きやすい職場づくりの実践例として、注目を集めそうだ。(久保友美恵)

職場は安佐南区の介護付き有料老人ホーム「メリィハウス西風新都」。昨年12月に就職し、入居者の趣味活動を支える部署で働く。書道をする女性に「お上手ですね」と声を掛けると、うれしそうな笑顔が返ってきた。

更衣室もトイレも女性用を使う。職場での名前は自らが望む通称の「未那」。戸籍上の名前を使うのは、行政に提出する書類などに限られる。同僚にも、自らGIDについて説明している。

就職を考えるきっかけとなったのが、施設を運営する医療法人八千代会(安芸高田市)の取り組みを紹介する2016年8月の中国新聞朝刊。管理職にLGBTへの理解を深めてもらう研修会の記事を読み、応募した。面接で「GIDですけどいいですか」と聞くと、役員から「関係ない」と即答された。

約20年前から複数の福祉施設で働いてきた。GIDを打ち明けられず、苦痛を感じながら男性更衣室を使ったり、長髪をとがめられてつらかったりしたこともあった。女性らしい言葉遣いを指摘された際には「おとこおんな、なの」とおどけてやり過ごした。

今でも、ちょっと低めの声を聞いた入居者から「男なの」と聞かれることがある。でも今は「私、女ですよ」と堂々と笑顔で答えられるのが喜びだ。

近くでは来年4月、八千代会が病院を開く。LGBTに優しい施設となるよう、積極的な提案を求められている。「安心して働ける場が見つかり、明るい将来を描けるようになった。よりよい職場と施設づくりに貢献したい」と力を込める。

【写真説明】職場で入居者㊧と話をする米田さん㊨

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VOICE!清水大輝 20歳 大学生 広島県

少し前まであまり耳にすることがなかったが、最近では性同一性障害について話題になることが多い。ここで取り上げられた職場は性的少数者(LGBT)が働きやすい職場づくりの実践例として注目されているとのことだ。男性の体で生まれたが心の性は女性という人に、更衣室もトイレも女性用を使えるようにするなど、LGBTを積極的に理解し受け入れようとしている。まだ、世間に少なからず嫌悪感を感じる人がいて、性同一性障害を打ち明けられない、もしくは虐げられている例は数多くあるだろう。この記事は職場づくりの良いお手本になると思った。理解がある職場と言っても、その対応の多くが受け身になりがちである。こちらからの積極的な対応と職場の柔軟さが大切であると感じた。今後こういった理解のある職場が多数派になっていくことを願う。

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