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2017.05.25 update.

ぼくにしかできない店 できた 味覚生かしコーヒー豆焙煎

上毛新聞社 | 2017年5月5日掲載

ぼくにしかできない店 できた 発達障害の15歳・岩野さん 味覚生かしコーヒー豆焙煎

桐生 桐生市小曽根町の岩野響さん(15)が、自家焙煎(ばいせん)したコーヒー豆を販売する「HORIZON LABO(ホライズン・ラボ)」という店を、同所の水道山中腹に開業した。店のキャッチコピーは「ぼくができることから ぼくにしかできないことへ」。発達障害の一つ、アスペルガー症候群と向き合いつつ、高校には進まない選択をし、自分にしかできないことを探している。

響さんは障害の影響で空間をつかむ力が弱く、黒板の字を書き写せなかったり、運動が苦手だったりした。学校の授業と部活動の両立ができず、中学1年の10月に不登校になった。

物心ついた頃から、同じ調味料でもメーカーの違いが分かるほど優れた味覚と嗅覚を持つ。両親に毎日出していたコーヒーに興味を持つようになり、中学2年の5月に知人から手回しの焙煎機をもらった。一つのことに熱中する性格で、市内の伊東屋珈琲(コーヒー)のロースター、古谷哲成さんらとも意見を交わし、焙煎する時間と温度でコーヒーの味がどう変わるのかを研究した。

中学3年の夏に家族とタイ・プーケットの海を見て、水平線(ホライズン)のように広く自由に生きたいと思った。自分を表現できるコーヒーの研究成果を発表する形で店を出そうと決意。自宅近くの空き小屋を父の開人さんと共に改装し、4月にオープンした。

商品は月替わりの1種類で、グアテマラや東ティモールなどの豆をブレンドする。今月はすっきりと飲みやすい味に仕上がった。温度を上げつつ時間をかけて焙煎することで、酸味をなくして深みのある豆を提供する。鮮度にこだわり、3、4日以内に焙煎したものを販売しようと心がける。「誰がどんな入れ方や飲み方をしても楽しめる豆を提供したい」と話す。

営業は毎月1~7日の午前11時~午後7時。

【写真説明】

「どんな入れ方や飲み方をしてもおいしい豆を提供したい」と話す岩野響さん

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VOICE!まる 26歳 会社員 群馬県

発達障害のある15歳の岩野さんが、コーヒー豆を販売する店を開いたという記事。障害があるというとどうしても「できないこと」に目が向きがちだが、「ぼくにしかできないこと」という自分の強みを見つけ、自分らしく生きていく姿に心を打たれた。私たちも生活する中で苦手なもの、できないことばかりにとらわれてしまうことが多々ある。苦手を克服しようとする努力が素晴らしいのはもちろんだが、得意なことを伸ばすのもとても素晴らしいことだと思う。スポーツ選手やミュージシャンだって、自分の得意なことを伸ばして輝いているのだから。この記事を読んで、たくさんの人に「ぼくにしかできないこと」を見つけてほしい、私も見つけたい、と前向きな気持ちになった。

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