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2017.07.12 update.

元カレとの再会 交番員後押し

沖縄タイムス社 | 2017年5月12日掲載

元カレとの再会 交番員後押し 45年ぶり 熊本の女性 今帰仁 宮城さん「いい経験」
【今帰仁】気付けば進行中のドラマの当事者になっていた-。今帰仁交番勤務の巡査部長、宮城智之さん(36)は先日そんな経験をした。交番を訪ねてきた熊本市在住の角崎靖子さん(62)の相談に乗ったところ、45年ぶりに元恋人との再会をアシストする役回りに。直前まで戸惑う角崎さんの背中を「僕だったら会います」と後押し。角崎さんは「念願の人に会えて、心置きなく熊本に帰ることができた」と感謝の手紙を宮城さんに送った。(北部報道部・城間陽介)
4月23日、孫の野球大会の応援で娘と沖縄を訪れていた角崎さんは、45年ぶりに元恋人の家を訪ねることを決意。頼りは彼の名字と当時家があった字だけ。レンタカーを走らせたが見つからず、交番に駆け込んだ。
交番で対応した宮城さんは当初事情を知らず、「最低限のことはしてあげたい」という気持ちで家探しを手伝った。電話帳から先方の親戚につながり、了承を得てようやく目的の家を探し当てた。
しかし、いざその家に向かうとなると角崎さんはちゅうちょし始めた。「お巡りさんだったらどうします?」。事情を聞かされ、水を向けられた宮城さんは少し考え込む。「おそらく元恋人には奥さんがいる。いきなり会えばトラブルの種にならないか…」。想像を巡らせ、自分に置き換えた。そして「会わなければ一生後悔するはず。先方も嫌な気持ちにはならないだろう」との結論に至り、悩む角崎さんを励まして送り出した。
後日、角崎さんからの手紙で無事会えたことを知り、「喜んでもらえてほっとした。後にも先にもこんな経験はない。どんな賞をもらうよりうれしい」としみじみ。
角崎さんによると元恋人とは17歳の時に大阪で出会い、ついて行った沖縄の彼の実家で1~2カ月間過ごした後、成り行きで別れたという。「なぜ別れたのか覚えてないけど、彼と電報配りを手伝った楽しい思い出がある」と懐かしむ。「向こうは最初気付かなかったけど、名前を言うと思い出してくれた。あの時のお巡りさんには本当に感謝している」と話した。
(写図説明)(上)角崎さんから届いたお礼の手紙を喜ぶ宮城智之巡査部長
(写図説明)(下)元恋人との再会を果たした角崎靖子さん

この記事でHAPPYな気持ちになったら

VOICE!チェシャ猫 24歳 会社員 沖縄県

この記事を読んで、私は巡査部長の宮城さんに対して思わず「ナイスアシスト!」と言いそうになりました。警察官の本来の業務は地域の安全を守ることです。個人情報の流出の危険性がニュースで報じられ、世の中が「個人情報」に対して敏感になっている中で、住民の安全を守る警察官として探すことを断ることもできたはずです。ですが、角崎さんを帰すことなく、親身になって一緒に探し、会うことを後押ししたところに「地域のおまわりさん」の本来のあるべき姿が見えたような気がしました。また、昔の恋人に会いに今帰仁村(那覇から車で1時間半はかかります)までやってきた角崎さんの行動力にも感銘を受けました。私もこんなふうに誰かに思われたい・・・そう切実に思いました。

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