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2017.06.05 update.

日本でも爆発的普及か

山陽新聞社 | 2017年5月16日掲載

経済やわらかゼミ 広がる仮想通貨 日本でも爆発的普及か 資金洗浄、詐欺事件発生も

最近ニュースで目にする機会が増えた「仮想通貨」。パソコンやスマートフォンになじみのない一郎さんにはさっぱり分からない。IT企業に勤める孫の美枝さんに聞いてみた。

一郎 仮想通貨って何だい。

美枝 インターネット上で取引する通貨よ。円やドルといった紙幣や硬貨と同じように、品物やサービスの売買で使って決済ができるの。日本よりも中国や米国のほうが普及しているわ。

一郎 それを使うと良いことがあるのかい。

美枝 便利なのよ。ほとんどの通貨はそれぞれの国や地域でしか使えないし、送金する時も銀行に手数料を取られるでしょ。仮想通貨はもっと自由に使えるように考え出されたの。ビットフライヤーという業者の「ビットコイン」が有名よ。

一郎 なるほど。で、どうやって使うんだい。

美枝 パソコンやスマホの中に自分の財布があるとイメージして。そこにあらかじめ専門業者から買った仮想通貨を入れておいて、買い物の時にそこから支払うと残高が減っていく仕組みよ。

一郎 仮想通貨はどこで手に入るんだい。

美枝 それぞれの仮想通貨の取引所を運営する業者が、円やドルと交換してくれるの。交換時の相場は、通常の為替相場と同じように日々変動するから、価値が急落するリスクもあるわ。2014年には世界最大級の取引所だったマウントゴックス(東京)が破綻して取引ができなくなり、大騒動になったじゃない。

一郎 日本ではどこで使えるんだい。

美枝 外国人客の多いドラッグストアみたいな小売店、飲食店、ホテルなど数千カ所あるみたい。ビットフライヤーは、これらの業態を中心に今年中に数万カ所に増えると予想しているわ。

一郎 そういえば、ビックカメラが東京の2店舗でビットコインの決済サービスを導入したと新聞に出てたな。

美枝 ええ。爆発的な普及に備えて損害保険会社がビットコイン利用者向けにトラブル被害を補償する保険を開発したり、大手銀行が独自の仮想通貨を研究したりと、日本でもいよいよ本格的になってきた感じよ。

一郎 仮想通貨が当たり前になれば、強盗事件は起きないな。

美枝 そうとも言えないわ。海外では仮想通貨を使ったマネーロンダリングや詐欺事件が起きているし、サイバー攻撃を受けて知らないうちに財産を盗み取られる被害もあるから油断大敵よ。

一郎 サイバー攻撃? 何だそりゃ。

美枝 ああ、おじいちゃんには現金の方がよさそうね。

この記事でHAPPYな気持ちになったら

VOICE!M.F 19歳 大学生 岡山県

インターネット上のものを現金やカードで買うことはあっても、仮想通貨で買える時代になっているとは知らなかったため驚いた。確かに全国に普及すれば便利になるだろうが、私が最初に懸念したのはセキュリティーの問題である。記事にも書いてある通り、さまざまな方法で仮想通貨が盗み取られている。私が一番注目したのはサイバー攻撃による被害だ。最近ニュースでよく見る世界同時多発ウイルスが頭をよぎった。こうした世界を揺るがす不安にさいなまれるなか、個人的には、これから発生する金銭を狙うウイルスには、この仮想通貨強盗が含まれていると考えている。こうした懸念が浮上している以上、仮想通貨普及の進ちょくは慎重にならざるを得なくなるだろう。また、もう一つの懸念として、仮想通貨が普及することによって最終的にお店がなくなってしまい、就職率にも相当な影響がでるのではないかと、学生の身としては心配になった。何かが進化することで何かが廃れていく、あるいは失われていくのは道理であるが、これは、経済社会の進化が必ずしも良いことのみを生み出すわけではないという一例だと思った。

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