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2017.06.29 update.
レッドブル・エアレース千葉 室屋(福島市在住)大会2連覇 今季2連勝、総合1位浮上
「空のF1」と呼ばれる飛行機の世界最高峰レース「レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ2017第三戦」は四日、千葉市の幕張海浜公園で本選を行い、福島市在住のパイロット室屋義秀選手(44)が昨年に続く千葉大会二連覇を果たした。今シーズンは第二戦の米国サンディエゴ大会に続く二戦連続優勝で、総合ポイントを30とし、平成二十一年参戦以来、総合順位で初めて一位に立った。(24・25面に関連記事)
室屋選手は、予選の順位に応じて選手が一対一で対戦する一回戦「ラウンドオブ14」で、チェコのペトル・コプシュタイン選手(39)を僅差で破ると、準決勝「ラウンドオブ8」でオーストラリアのマット・ホール選手(45)に勝利した。勝ち進んだ四人がタイムで優勝を決める決勝「ファイナル4」は、他の三選手が強風に苦しむ中、安定したフライトを見せ、55秒288で制した。母国開催で二度の優勝は引退したポール・ボノム選手(英国)に次いでエアレース史上二人目の快挙。
室屋選手は十一年から福島市の農道空港「ふくしまスカイパーク」を拠点に操縦技術を磨いている。スカイパークに軽飛行機の研究開発拠点を整備するサード(本社・愛知県豊田市)も、技術支援を通して室屋選手の優勝を後押しした。
第三戦は今季唯一の国内戦で、世界のトップパイロット十四選手が出場した。二位は一回戦で室屋選手に敗れたものの、一回戦敗退者で最速タイムを出し復活したコプシュタイン選手、三位は総合ポイントで室屋選手に並ぶチェコのマルティン・ソンカ選手(39)が入った。
室屋選手は今季、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで行われた第一戦で十四選手中十三位に終わったが、機体を大幅に改良して臨んだサンディエゴ大会で優勝した。
今季は十月まで全八戦を繰り広げる。次戦の第四戦は七月一、二の両日、ハンガリーのブダペストで開かれる。
室屋選手は昨年、福島民報スポーツ大賞を受賞している。
レース後、記者会見した室屋選手は「チームスタッフや応援してくれた皆さんに感謝したい。目標の総合優勝に向けてコンスタントに良いレースを続けていきたい」と語った。
■県民に大きな勇気と希望 知事
室屋選手の優勝を受け、内堀雅雄知事は「地元日本開催という重圧の中での千葉大会二連覇は、これまでの室屋選手の努力と関係者の御尽力が実を結んだものだ。県民に大きな勇気と希望、誇りを与えてくれた」とコメントを発表した。
【写真説明】 母国大会で2連覇を果たし、表彰式で優勝トロフィーを掲げる室屋選手(Balazs Gardi/Red Bull Content Pool)
【写真説明】 決勝のファイナル4で、強風の中、研ぎ澄まされた操縦で攻めの飛行を見せる室屋選手の機体
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VOICE!矢吹司 20歳 大学生 福島県
「空のF1」と呼ばれるエアレースで、室屋義秀選手がワールドチャンピオンシップ2連覇を達成した。昨年、今年と千葉大会での連覇であり、今シーズン第2戦のサンディエゴ大会に続く2戦連続優勝も同時に達成した。室屋選手は福島市のふくしまスカイパークを拠点に練習を積んでおり、福島県民として新聞やニュースに大きく取り上げられる姿を非常にうれしく感じた。母国での大会で2度の優勝を果たすのは史上2人目で、エアレースの歴史に名を残すことにもなったと思う。室屋選手は今シーズンのエアレース総合順位でもトップに立っているため、残りの5戦でもよい結果を残して総合優勝を果たしてもらいたい。