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2017.09.01 update.

支えられた子 支える側に

信濃毎日新聞社 | 2017年8月5日掲載

大震災の被災児招く泰阜のキャンプ 支えられた子 支える側に 相談員で「里帰り」熊本の被災児ケア
東日本大震災で被災し、下伊那郡泰阜村のNPO法人グリーンウッド自然体験教育センターで山村留学やキャンプを経験した全国の高校生たちが夏休みを利用し、同村を繰り返し訪れている。村内の自然や人とのつながりに魅力を感じたためだ。今夏は、熊本地震で被災した児童も加わるキャンプに相談員として関わり、子どもたちの思い出づくりを支えている。

4日、村内で行われているキャンプに、千葉県野田市の高校2年丹保空智(たんぽそらち)さん(16)が参加した。丹保さんは東日本大震災を当時暮らしていた千葉県我孫子市で経験。自宅の屋根が壊れて転居が必要となり、小学5年から5年間、泰阜村に山村留学し、泰阜小、中学校に通った。この日は、熊本市で被災した小学生6人を含む班の相談員を務め、食事の用意や遊びなどで子どもたちを手助けした。
丹保さんは東日本大震災当時、「揺れにおびえて泣く友人を見て、怖くて学校へ行くことに消極的になった」。だが、山村留学し、村内のスタッフや同級生と暮らすうちに「素の自分を出せるようになった」という。昨年も泰阜中時代の同級生に会いに訪れ、今年は初めてキャンプに参加した。「自分よりも怖い思いをした子もいるかもしれない。楽しいと思ってもらえるキャンプにしたい」と話す。
昨年に続き相談員として参加した福島県いわき市の高校3年蛭田有咲(ありさ)さん(17)も、大震災後に6回ほど泰阜村のキャンプに参加している。「キャンプが終わった後も、福島で余震が起きた時には友達がメールをくれたり、また会おうという手紙をくれたりして、うれしかった」と蛭田さん。「専門学校に進学するが、また来年も来たい」と話した。
同法人のキャンプは20年以上前から実施。阪神・淡路大震災をきっかけに、寄付を募って被災した子どもたちを招く事業を続けている。事務局長斎藤新さん(43)は、「テレビの中の出来事だった震災が、キャンプに参加したことで『友達がそこに住んでいる』と思いやるきっかけになっている」と強調。「友達のために何ができるか、考える一歩になればいい」としている。

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VOICE!中村祐斗 20歳 大学生 長野県

支え支えられるの関係・つながり。特に自分がつらいとき、求めようとするのではないか。そして笑顔。蛭田さんの笑顔がすてきだ。彼女の笑顔が苦しい思いをした子どもたちの笑顔を作っている。昨今災害が続いているが、こうしたつながりを大切にしていきたいものだ。「友達のために何ができるか、考える一歩になればいい」の一文が、今後のつながりの可能性を秘めているように感じた。

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