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2017.11.06 update.

復興願い 夜空に“大輪” 熊本市江津湖

熊本日日新聞社 | 2017年10月15日掲載

 熊本市の江津湖花火大会が14日夜、東区の下江津湖であり、雨の中、“大輪の花”が夜空と湖面を彩った。熊本地震の発生から1年半。観客は鎮魂と復興の思いを花火に託した。

 市主催の花火大会は2015年8月、5年ぶりに復活。昨年は下江津湖一帯の被災により中止した。

 地震の犠牲者を追悼する直径約240メートルの巨大な「鎮魂の花火」で幕開け。色鮮やかな花火約1万発が次々と打ち上げられ、観客は歓声を上げて夜空を見上げた。

 妻や幼稚園児の子ども2人と訪れた東区新生の会社員、松本謙一さん(45)は「間近で見る花火の迫力がすごかった。子どもが大きくなった時、この花火のように明るい熊本になっていることを願っています」と話していた。(益田大也、熊川果穂)

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VOICE!高山未来 22歳 大学生 熊本県

 友人と浴衣を着て雨の中、会場に足を運んだ。大勢の観客が集まる中で、天草出身のメンバーらによる人気ロックバンドWANIMAが歌う「やってみよう」に合わせて「ミュージック花火」が打ち上げられた。歌詞の一節に「悲しいときは笑って 寂しいときは声出して 雨はいつまでも 続かない 土砂降りも楽しもう」とある。熊本地震から1年半、私たちはそれぞれ形は違えど心に傷を負いながら前に進んできた。

 「つらいのは自分だけじゃない、もっと苦しんでいる人もおるけんね」

 誰もがその胸の内をぐっと飲み込んできたにちがいない。江津湖の夜空に咲いた大輪の花火と「ドーン!」と響きわたる大きな音が、ずっとため込んでいたものを吐き出してくれるような気がした。湧き上がる歓声よりも、ぐっとかみしめるように空を仰ぐ観客の姿が印象的だった。

 あいにくの天気だったが、心にしみわたる最高の花火大会だった。私も友人と「楽しかったね」と笑い合い、家路についた。

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