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おしゃれ夫婦 仙台セカンドライフに共感 インスタ58万フォロワー

産経新聞社 | 2017年11月3日掲載

おしゃれ夫婦 仙台セカンドライフに共感 インスタ58万フォロワー  

 色や柄をそろえるリンクコーディネートの写真を写真共有サイト「インスタグラム」(インスタ)に投稿し、世界中に58万人を超えるフォロワーを抱える日本人夫婦がいる。「bonpon511」のアカウントで投稿する、仙台市在住の夫、bonさん(62)と妻のponさん(61)だ。仲むつまじい夫婦写真に「年を取るのが怖くなくなった」と共感の声が上がっている。                           (松田麻希)

                     ◇

 ◆アジアで話題に

 夫が赤いベストを着れば、妻は赤いフレアスカート。妻が青のギンガムチェックのワンピースなら、夫は少し色の薄い同柄シャツをはおる―。

 きっかけは次女のインスタだった。家族のファッションを収めた写真を投稿したところ、思いがけず多くの「いいね」がついた。評判を受けて次女に勧められ、夫婦アカウントを昨年12月に開設。今年3月に香港や台湾のメディアが、日本のおしゃれな夫婦として紹介したのを機にフォロワーが急増し、日本でも知られるようになった。

 ボーダーや水玉、チェックなど柄物を大胆に取り入れ、赤や青などビビッドな色も使う。色、柄、素材のどこかをそろえた装いに、文字通りの共白髪もリンクコーデの重要なアクセントだ。自宅や出かけ先で撮影したツーショット写真には「So cute!(とてもかわいい)」「まねしたい」「こんな夫婦になりたい」と、国内外のフォロワーからコメントがつく。

 洋服は同じものを買うわけではなく、持っているもので合わせる。「色や柄の好みが近いから、なんとなくおそろいになることもある」とponさん。「若いときはペアで同じトレーナーも着たけれど、今はまるきり一緒はやっぱり恥ずかしい」(bonさん)。だから、同じ柄でも大きさや間隔を変えたり、色を同じにするなら別々のアイテムに取り入れる。

 また、美術館に行くときはモノトーンにするなど、行き先も考慮する。「キャラクター展も好きで、そんなときはかわいらしい雰囲気に。草間彌生なら水玉模様、マリメッコ展なら明るい色」(ponさん)と、2人で話し合って決める。

 ◆生活のハリに

 2人だけでは話すこともない、退職した夫が家にいると邪魔に感じる…。そんな悩みを抱える熟年夫婦も少なくない。それに比べ、夫婦円満を絵に描いたような2人だが、かつては仕事や子育てに多忙を極め、ほとんど夫婦の会話ができない時期もあったという。

 広告代理店でデザイン制作に携わっていたbonさんは、朝9時に出社して退社は午前1時という激務の日々。「お父さんの寝顔しか見ていないと、子供たちは言っていた」とponさん。だからこそ「ようやく2人でいられるのがうれしい。今の生活が楽しくて仕方がない」という。

 シニアのインスタ活用について、bonさんは「年を取ると社会との接点が少なくなる。インスタを通して社会に何かを発信することは生活のハリになる」と話した。夫婦2人で取り組める趣味として、楽しみになっている。

 10月20日には、インスタについてまとめた「bonとpon ふたりの暮らし」(主婦の友インフォス)=写真=を出版。「この本をきっかけにインスタを始めるシニアの方が増えるとうれしい」(ponさん)

 ◆すべてリセット

 この3月にbonさんが会社を退職したのを機に、夫妻は長年住んでいた秋田から仙台に引っ越した。「雪おろしも年々つらくなってきたし、いずれ車が運転できなくなったら生活が難しくなる」(ponさん)と考え、夫婦と次女の3人で暮らしていた一軒家や所有していた貸家も処分。交通の便が比較的良い仙台のマンションで夫婦2人だけの生活を始めた。

 「すべてをリセットして、2人きりで知らない街に来た。まだ元気だからできること。また多くの人との縁をつくり、夫婦2人でいろいろなことに挑戦したい」。第2の人生のスタートに胸を膨らませた。

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 夫の帰宅恐怖症、妻の帰宅拒否症、熟年離婚などが日々マスコミに取り上げられ、夫婦で楽しく暮らすイメージが薄くなっています。そうした中、定年後の生活にここまで希望を持たせてくれる記事を初めて見ました。かつて仕事や子育てですれ違う時間が多かったからこそ、今を楽しめるというところに現実感があり、単なるおとぎ話に見えないので自分たちもできるのではと共感をよびます。
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 美魔女のような不自然で自己満足的なものより、断然目ざしたい目標です。若者のようにインスタグラムを使いこなしていることにも感心します。好奇心を失わず、生活も新たに、日々を楽しもうとするお二人の姿にはげまされました。

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