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2017.12.18 update.
子どもの先天性難聴を早期発見するための新生児聴覚検査について、群馬県は8日、県内全市町村での公費助成導入など検査を受けやすい環境をつくろうと、支援に取り組む方針を明らかにした。県医師会をはじめ関係機関と協議し、助成の実施主体となる市町村に対して予算確保を呼び掛けるほか、助成時の一部事務を代行する。親の経済負担を減らし、多くの新生児が検査を受けられる態勢を整える。
新生児を対象とした聴覚検査は、小さな音を聞かせて脳から出る微弱な反応波形を調べる自動聴性脳幹反応検査(自動ABR)などがある。
任意での受診となり、県内では現在、一部助成を含め公費負担を実施しているのは前橋、伊勢崎、太田、神流の4市町のみ。3市は上限3000円、神流町が上限1万円に設定している。公費助成のない市町村では、平均5000円前後の検査費用を親が負担することになるため、残る31市町村に対し、県が公費助成の導入を呼び掛けている。
関係機関との協議の状況について、県が8日の県議会厚生文化常任委員会で報告した。協議では、来年度以降、市町村が助成を実施する際に県が、医師会との契約や受診票の交付などに関する事務の一部を代行することになっている。医師会は「全市町村での導入に向けて、県と協力して取り組んでいきたい」としている。
本年度から助成制度を始めた神流町は「少子化が進む中で、手厚い子育て支援を図りたい」と導入理由を説明する。毎年約3000人が生まれる県内最大都市の高崎市は来年度からの一部助成を検討。助成により新生児が検査を受けやすくなることから、担当者は「早い段階で難聴が発見されれば、手話をはじめとしたコミュニケーションを早期に教えられる」と効果を期待する。
県によると、新生児の1000人に1~2人は聴覚に障害があるとされる。障害が発見された場合、早い段階で補聴器の装着や適切な訓練を始めると、言語力がつきやすいとするデータもあり、早期の検査が重要とされている。
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新生児を対象とした聴覚検査を、多くの新生児が受けられる態勢を群馬県が整える。平均負担額5000円前後の費用がかかるとされるが、公費負担により、新生児を抱える世帯の経済的負担を減らせることになりそうだ。
検査で障害が発見された場合、早い段階で補聴器の装着や適切な訓練を受けることで言語力が身に付きやすいデータも報告されている。「少子化」が重要な課題の一つにあげられる昨今、子育て支援が手厚くなることは朗報で、県内すべての市町村に支援の輪が広がることを期待する。各家計の所得にかかわらず、難聴検査を含めた新生児を対象とする各検査がすべて無償で提供されることが理想だ。子育てをする環境が整備され、育児にやさしい群馬をPRしよう。