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桃田　復帰戦制す／バドミントン日本ランク大会

バドミントンの日本ランキングサーキット大会最終日は３１日、さいたま市記念総合体育館で各種目の決勝が行われ、違法賭博問題による無期限の試合出場停止処分が解除されて今大会から復帰した男子シングルスの桃田賢斗（ＮＴＴ東日本、福島・富岡高出）が、日本代表で世界ランキング５３位の上田拓馬（日本ユニシス）に２－１で競り勝ち、優勝した。

桃田にとっては問題の発覚を受けて２回戦を棄権した昨年４月のマレーシア・オープン以来の大会出場だった。第２ゲームを失って突入した最終ゲームは１６－１８から逆転した。

◎「届いた声援　力になった」

桃田が復帰後初めて出場した大会で優勝した。「つらい時に支えてくれた方々と話した思い出全てが込み上げてきた」。試合終了の瞬間、涙をこぼしてコートに座り込んだ。

国際大会を共に戦ってきた上田相手に一歩も引かない戦いを展開。長いラリーが続いても、走り込みでいじめ抜いた体は悲鳴を上げない。「しっかり足を動かせていた」。床に落ちそうなシャトルを拾ってはすぐに立ち上がり、主導権を渡さなかった。

優勝の喜びより、周囲へ恩返しできたことへの安心感が強いのだろう。「届いた声援が見えない力になって、体を動かしてくれた」。自らに向けられる視線を感じながら戦う姿勢がうかがえた。結果を求められる世界だが、現在の桃田が目指すのは少し違う。「プレーできる感謝の気持ちを忘れず、応援したいと思ってもらえる選手になりたい」（剣持雄治）