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2017.06.26 update.

理科って面白い 中国で教え続け20年

長崎新聞社 | 2017年6月3日掲載

理科って面白い 中国で教え続け20年 佐世保高専元教授 井手さん

佐世保工業高等専門学校(佐世保高専)の元教授、井手義道さん(77)=佐世保市黒髪町=は中国の若者に理科の面白さを伝える講演活動を約20年にわたり続けている。「なぜわざわざ中国で教えるのかと言われることもあるが、国は問題ではない。世界全体が幸せになるための地球人を育てたい」と信念をのぞかせる。

銅線やねじを詰め込んだスーツケースに作りかけの燃料電池のミニカー。実験道具が並ぶ井手さんの自宅には着物とチャイナドレスの女の子が寄り添う一枚の絵が飾られている。贈り主は5月25日に講演した西安市の小学生たち。講演には妻の美佐子さん(77)も助手として参加した。「日本と中国が末永く仲良くできるようにという『中日友好子々孫々』という意味ですよ」。井手さんは絵を手に取ってほほ笑んだ。

物理の教諭として県内外の高校や高専、大学で教えてきた。1999年に東京で開かれた自作の実験器具を展示する催しで、中国の大学教員と意気投合。その縁で幼稚園生から大学生までに理科の実験を披露する講演を始めた。

年に数回、1週間程度滞在して複数の学校を訪問。振り回すとごみを掃除機のように吸うホースや木の坂道を自力で上る金属など、生徒から「どうして」という言葉を引き出す実験にこだわってきた。新しい知識を吸収しようとする姿勢がうれしい半面、「日本の教育は気合を入れなければいけない」と危機感も感じた。

長年の活動で中国の人々への理解や交流も深まった。日中関係が悪化した時期も影響はなく、現地では「死ぬまで教えに来てください」と言われるようになった。「一緒に勉強をして仲良くなって教育のレベルを上げようと言い続けてきた。信頼をされたら固い絆を結んでくれる人々だ」と確信している。

12~15日には深圳市を訪問する予定。「日本人の代表として恥ずかしくないよう活動を続けたい」とした。

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VOICE!ちえ 23歳 会社員 長崎県

理科の面白さを伝えるため、中国で約20年教え続けている井手さん。日中関係が悪かった時期でも「死ぬまで教えに来てください」と言われるほど交流を深めていたそうです。すごく素敵な事だと感じ、世界の人々が交流を深め、仲良くできるといいと思いました。「世界全体が幸せになるための地球人を育てたい」という信念を持つ井手さん、頑張って活動してほしいです。

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