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2017.08.15 update.
「夏休みの友」70号 教職員手作り 宿題で山梨学ぶ
県教育研究所(望月真所長)などが編集・発行している小中学生を対象とした学習冊子「夏休みの友」が、2017年度版で第70号となった。1948年に第1号を発行して以来、教職員が手作りしてきた。1学期の復習を交えながら全教科を網羅した内容で、今夏は5万4千部を発行。同研究所は「保護者も一緒に取り組み、コミュニケーションのきっかけにしてほしい」としている。〈渡辺真紗美〉
夏休みの友は戦後の混乱期に学習機会を保証しようと制作が始まった。「ドリル学習を増やしてはどうかとの声もある」(同研究所)が、幅広い分野について学ぶことで児童生徒の全人格形成につなげようと、山梨の自然や民話、県ゆかりの作家や芸術家の作品を盛り込んできた。
小中学9学年版があり、2017年度は表紙の絵に児童生徒の作品を採用。小3では国語で甲斐市の信玄堤、中2では英語で「清里開拓の父」と呼ばれるポール・ラッシュ博士を取り上げるなど、各学年版とも学習の中で山梨の歴史や文化に触れることができる。
夏休みに中学校で実施されることが多い職場体験や、スマートフォンを利用する際の注意点のページもあり、進路や長期休暇中の生活について考えられるよう配慮した。
編集は小学生向けが各学年5人、中学生向けが12の教科や分野に各3人の教職員が手弁当で携わっている。児童生徒の指導に当たる教職員が作成することで、より教育現場のニーズに合わせられるという。印刷代として150円で配布。県内ではほとんどの公立小中学校が採用している。
第70号を数え、山梨の「夏休みの宿題」の代名詞として定着し、親子3代で取り組んだ人も少なくない。望月所長は「全国一律の問題集では山梨を知る機会が少ない。計画的に取り組み、夏休みの有意義な家庭学習につなげてほしい」と話している。
【写真説明】2017年度版の「夏休みの友」
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VOICE!ヒカリ 20歳 大学生 山梨県
私も夏休みの宿題といえば「夏休みの友」といえるほどなじみ深いものであり、全国で夏休みの友があると思っていたので、この記事を読んで驚いた。教職員の手によって、山梨の文化や歴史を子どもたちが学ぶことができる良い教材であると感じた。これからも山梨の子どもたちにとって夏の風物詩になるように続けてほしいと感じた。