
ニュースパーク(日本新聞博物館)は4月2日から、ミニ展示「戦後80年 あのとき新聞は何を伝えたか」を開催しています。
終戦の年となる1945年に新聞は何を伝えたのか、毎月、80年前のその月の出来事を報じた新聞を紹介しています。
8回目の今回は、1945(昭和20)年11月の出来事・紙面を取り上げています。
6日、連合国軍総司令部(GHQ)は三井、三菱、住友、安田の四大財閥の解体を命じました。財閥一族による企業への支配力を排除、各財閥が保有していた株式を分散させ、経済の民主化を推進するねらいがありました。また、19日にはGHQにより、戦争犯罪人として荒木貞夫、松岡洋右、松井石根ら11人に逮捕命令が出されました。26日に第89回帝国議会(臨時)が召集されますが、衆議院では戦争責任、食糧問題など山積する課題に対する政府の施策の「弱点」を追求する質疑が行われます。
この頃、スポーツイベントが賑わいを取り戻しつつありました。16日から、戦後初の大相撲本場所が東京・両国の国技館で開催され、「ザンギリ頭」の復員力士が目立っていました。人気のあった大学野球では、18日、戦後初の早慶戦が明治神宮球場で行われ、「伝統の早慶戦」の復活に聴衆が歓喜しました。
15日、戦時中にソロモン群島で戦死したとされた福岡市の男性が、鹿児島に帰還し、捕虜に関する情報を「隠蔽」していた当局への批判も高まりました。戦時下の政府や軍部に対して、戦争責任追及の声が上がり始める時期でもありました。
この時期、新聞は裏表2ページでした。1面には、教科書にも載っている出来事が、ニュースとして伝えられています。2面に目を向けると、「こんなことがあったのか」と思うような暮らしに関する記事も載っています。新聞は世相を写し出す鏡でもあります。
展示を通じて、戦争と平和について考える機会になれば幸いです。
【過去の展示紙面リスト】
| 会期 | 2025年4月2日(水)~12月末 ※1945年11月分の展示は11月末まで |
|---|---|
| 開館時間 | 10時~17時(入館は16時30分まで) |
| 休館日 | 月曜日(祝日・振替休日・開港記念日の場合は次の平日) |
| 会場 | 3階常設展示室「新聞ギャラリー」コーナー |





