これまでの企画展

2001年

明治のメディア師たち-錦絵新聞の世界

錦絵新聞は、新聞の黎明期の明治初期に、多色刷りの浮世絵版画である「錦絵」とニュースを伝える「新聞」が結びついて生まれました。殺人事件や刃傷沙汰、事故・災害、スキャンダルなど、市井の人々が興味をもつ話題を迫力ある構図の図柄と名調子の文章で伝えています。
当館所蔵の実物を中心に約200点の資料を展示し、おどろおどろしくも魅惑的な錦絵新聞の世界をご紹介します。
また、その作り手であった新聞編集者、戯作者、浮世絵師の生涯と作品に焦点をあて、「明治のメディア師たち」がいかにして新しいメディアを成立・発展させていったのかを浮き彫りにします。

会期 10月5日(金)~1月14日(月・祝)
主催 日本新聞博物館
会場 2階企画展示室
図録 『明治のメディア師たち 錦絵新聞の世界』
東京日々新聞 第1号
郵便報知新聞 第508号

世界報道写真展2001

世界報道写真財団(World Press Photo Foundation/本部=オランダ・アムステルダム)が世界の報道写真家に呼びかけて、前年1年間のニュース写真を集めたコンテストの入選作品を展示します。
この写真展は今年度、日本をはじめ35以上の国と地域、約70会場で開催されています。文化や言語の違いを超えることのできる「写真の力」を裏付けるように、世界の数百万という人がこの写真展を訪れています。
カメラとともに戦場へ、被災地へ、観衆の見守るスタジアムへと飛び込んでいった報道写真家たちが、世界各地で起きた様々な出来事を記録したカラーとモノクロの約200点の写真は、時代の証言としてリアルな感動を伝えます。

一般ニュースの部 単写真2位
アーミット・シャビ(イスラエル) ロイター通信社
「パレスチナ男性と議論するイスラエル警官、2000年10月、エルサレム」
「統計に入らないアメリカ人:サンチェス家の人々、テキサスの自宅にて」
会期 9月1日(土)~21日(金)
主催 日本新聞博物館、世界報道写真財団、朝日新聞社
後援 オランダ大使館、社団法人日本写真協会、社団法人日本写真家協会
協賛 キヤノン株式会社、キヤノン販売株式会社、イーストマン・コダック社、KLMオランダ航空会社
会場 2階企画展示室

新聞にみる日本はじめて物語:メディア編

近代以降の新しい発明・発見、あるいは輸入による日本での「はじめてのモノ・ことがら」に対して、人々がどのように反応したのかを、当時の新聞記事・広告で綴っていきます。
今回は「メディア編」と題し、幕末から現在に至るまでの、新聞・雑誌・ラジオ・テレビ・郵便・電信・電話などマスメディア・通信分野にかかわる「はじめて」のニュースを報じた当時の新聞を集めて展示。あわせて、平円盤型蓄音機、鉱石ラジオ、高柳式テレビ、ガワーベル電話機など、「ニュース」となった機器類約20点(レプリカ含む)を展示します。

会期 7月15日(土)~8月19日(日)
主催 日本新聞博物館
会場 2階企画展示室
書状集箱(逓信総合博物館蔵)と
1873(明治6)年2月10日付東京日日新聞

幻の新聞展―戦後生まれて、やがて消えていった新興紙―

戦後、全国各地で数多くの新聞が生まれました。“新興紙”といわれる新聞です。その数は、日刊・非日刊大小合わせて1,000以上ともいわれていますが、正確なところはわかりません。
戦時中の新聞統制が行われていた暗い不自由な時代から、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の一連の新聞解放政策によって、新聞の自由発行の時代へと一転。新興紙は、価値観の転換にとまどい、ニュースに飢えていた国民のために「民主日本の再建」「文化国家の建設」「真実の報道」などを編集綱領に掲げて、新しい紙面作りに意欲を燃やしました。しかし、その後ほどなく、様々な理由で大部分が消えていきました。新聞社ごと消滅したので、紙面はほとんど残っていない「幻の新聞」となりました。
日本新聞協会が合本で保存していた新興新聞約40紙とそれらの創刊号・休刊号の一部を初めて公開。写真新聞の先駆けとなった「サン写真新聞」(写真)、世界文化の紹介に重きをおいた「世界日報」、政治的に自由な立場を主張した「民報(東京民報)」、穏健にして明朗なる娯楽を標榜した「新夕刊」などを展示します。

会期 3月31日(土)~6月24日(日)
主催 日本新聞博物館
会場 2階企画展示室