ニュースパーク(日本新聞博物館)は、2024年4月20日(土)から9月1日(日)まで、企画展「新型コロナと情報とわたしたちⅡ―コロナがわたしたちに残したもの」を開催します。
当館は、新型コロナウイルス感染拡大による最初の緊急事態宣言が明けたばかりの2020年7月、緊急企画展「新型コロナと情報とわたしたち」を開催しました。SNS時代に起きた世界的な感染症の流行は、真偽ないまぜの情報が瞬時に大量に拡散される「インフォデミック」という現象をもたらし、不安や恐怖で流言・デマが行き交い、医療従事者や感染者らへの中傷・差別などもありました。「情報と新聞の博物館」として当館は、日頃情報リテラシーの大切さとメディアの役割を伝えており、コロナ禍で起きたこれらの出来事を記録し、どう対処すればよいのか共に考えたいとの思いがありました。
コロナが感染症法上の5類に移行して1年たった今、コロナ禍がわたしたちに何を残したのか、SNS時代のマスメディアの役割や課題は何か。短い期間に同じテーマの展示を繰り返すのは、当館としては異例ですが、あらためて本展を通じて一緒に考えたいと思います。「確かな情報」がなぜ必要なのか――。
【展示構成】
Ⅰ SNS時代の感染症
コロナ禍ではトイレットペーパーやワクチンなどをめぐるデマが拡散しました。感染者や医療従事者への差別、ワクチン接種をめぐる意見の相違・対立、さらには分断ともいえる状況も生じました。これらの多くはSNSを通じて広がり、時にエスカレートしていきました。現代のわたしたちは、インターネットやスマートフォン、SNSによる利便性を享受しています。こうした中で、わたしたちは、情報に振り回されないためにどうすればいいのでしょうか。
感染拡大防止と社会経済活動、「Go Toキャンペーン」、東京五輪の観客の有無などについて、政府と専門家らで考えや意見の隔たりがみられることもありました。専門家らの提言・見解はどのように届けられ、報じられたのでしょうか。また、どんな課題があったのでしょうか。
新聞報道、専門家らのコメントを通じてあらためて考えます。
本展開催に当たって、尾身茂さん(結核予防会理事長、元新型コロナウイルス感染症対策分科会会長)にインタビューしました。コロナ禍の最中、何度も「専門家会議の会長」として記者会見などに登場した立場から、情報発信の際に心掛けたことや、政府と専門家の役割の違い、「リスクコミュニケーション」の大切さなどについてお話しいただきました。
Ⅱ 歴史に学ぶ感染症と情報
明治時代から現代に至るまで、人々がどのような感染症と向き合ってきたのか、また感染症に関する報道がどのようなものであったか、主に新聞紙面で紹介します。新聞には感染症流行の原因、その時の人々の行動、時代背景などが記録されており、「感染症史」を物語る資料ともいえます。
Ⅲ 新型コロナウイルス 新聞はどう伝えたか
「中国で原因不明の肺炎」と伝えた2020年1月1日付の初報から、23年5月8日の5類移行までの状況や動きを新聞と報道写真で振り返ります。
Ⅳ インフォデミックの経験、未来へつなぐ
コロナ禍で「インフォデミック」を経験したわたしたちは、これからどのように情報と向き合えばいいのでしょうか。メディアや情報の専門家とともに考えます。
【会期、施設情報】
会期 | 2024年4月20日(土)~9月1日(日) |
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開館時間 | 午前10時から午後5時(入館は午後4時30分まで) |
休館日 | 月曜日(祝日・振替休日の場合は次の平日) |
会場 | ニュースパーク(日本新聞博物館)2階企画展示室 |
主催 | ニュースパーク(日本新聞博物館) |
協力 | 東京写真記者協会 |
後援 | 神奈川県教育委員会 横浜市教育委員会 川崎市教育委員会 |
2024年5月9日から引き続き、感染症対策を実施しています。
詳しくは「感染症対策へのご協力のお願い」をご覧ください。