様々な分野で「多様性(ダイバーシティー)」を推進しようとする取り組み「DE&I」が進んでいます。新聞・放送・通信社は、社会の中の差別などを問題提起し、その撤廃を報道や事業活動を通じて訴えてきました。制度整備につながった事例も多くあります。
一方で、メディアの中の多様性は、なかなか進んでいないと内外から指摘されています。それでも、女性記者(社員)の増加や若い世代の意識の変化などによって、新しい視点での活動は増えています。
SDGsの機運が高まり、Z世代をはじめ、新しい学習指導要領で多様性教育を受ける世代が社会に出ていくいま、「多様性」をキーワードに、「メディアが変えてきたもの」と「メディアを変えてきたもの」を時代の変化とともに振り返ります。メディアと人々の新しい関係を探りながら、未来の議論につなげていきます。展示資料は約300点です。ホワイエでは、2023年の国際女性デー報道を展示する予定です。また、関連イベントも開催します。
(2024.3追記)本展の内容をまとめた簡易資料集が出来ました。ご来館の方には受付で配布しているほか、郵送をご希望の方は送料・手数料込みで320円×冊数分の切手を同封の上、下記の宛先までお送りください。
〒231-831 神奈川県横浜市中区日本大通11 横浜情報文化センター
ニュースパーク(日本新聞博物館) 多様性展簡易資料集係
日時 | 2023年4月22日(土)~8月20日(日) |
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開館時間 | 午前10時~午後5時(最終入館は午後4時30分まで) |
休館日 | 月曜日(祝日・振替休日の場合は次の平日) |
会場 | ニュースパーク(日本新聞博物館)2階企画展示室 |
主催 | ニュースパーク(日本新聞博物館) |
後援 | 神奈川県教育委員会、横浜市教育委員会、川崎市教育委員会 |
【展示構成】
第1章 近代日本と女性
明治から昭和初期までの女性の教育、労働、生活ぶりについて、当時の新聞がどう伝えてきたか紹介します。日本の近代化とともに発展してきた新聞には、社会を映し出す記事が掲載され、各時代の女性の様子を伝えています。
第2章 近代日本と格差、人権
第1章と同じく明治から昭和戦前期、民族、障害、疾病を理由にした差別、労働や教育と貧困・格差をめぐる状況について新聞がどう伝えてきたか紹介します。新聞には時代の空気が色濃く反映されており、当時の人々が人権をどう捉えていたのか見ることができます。
第3章 メディアの中の多様性は
昭和以降、特に1985年の男女雇用機会均等法の成立後、メディアの中の多様性がどのように進んできたのかがテーマです。新聞だけでなく、テレビやインターネットメディア、広告、海外メディアなども取り上げます。時代を変えようとしてきた関係者と、メディア内部で奮戦してきた記者たちの足跡、組織の変化について当時の報道と現在のコメントなどを通じて紹介します。
第4章 いま、メディアが伝える「多様性」
ジェンダー平等のほか、男性らしさ、子供、病気や障害を持つ人、性的少数者(LGBTQ等)、累犯障害者、犯罪被害者、外国人労働者、少数民族・言葉(沖縄、アイヌ)、被差別部落、在日コリアン、中国残留邦人など様々な「多様性」の視点の報道を紹介します。担当した記者や、各分野の専門家からもコメントをいただいています。
第5章 次世代の「メディアと多様性」
メディア内外の若い世代の声を、多様性についての教育現場の取り組みも交えて紹介します。新学習指導要領が完全実施され、高校でも多様性を重視した教科書が使われ始めています。NIE(教育に新聞を)の実践との組み合わせの一例として、京都先端科学大学附属中学校高等学校で行われた授業実践の模様を再現展示します。この授業は、複数の全国紙と地元京都新聞のダイバーシティー関連連載記事を活用したもので、京都新聞のNIE担当者も授業参加しました。
本展では、さまざまな当事者・関係者・専門家からお寄せいただいたコメントを展示します。赤松良子日本ユニセフ協会会長、村木厚子元厚労事務次官、林香里東大副学長、細田満和子星槎大教授、松田崇弥ヘラルボニー社長など、男女雇用機会均等法や女性・障害者政策の整備、メディア研究、医療社会学、知的障害者によるアートの事業化等に関わってきた方をはじめ、内外のメディア関係者らのコメントも紹介する予定です。来場者からの声も随時紹介していきます。
2024年5月9日から引き続き、感染症対策を実施しています。
詳しくは「感染症対策へのご協力のお願い」をご覧ください。